WBO世界フライ級王者の田中恒成(23=畑中)が、3月16日に岐阜メモリアルセンターで、元WBA&IBF統一ライトフライ級王者の田口良一(32=ワタナベ)とV1戦を行うことが10日、発表された。

 両者は2017年大みそかにライトフライ級での王座統一戦を行う方向だったが、同年9月のV2戦で田中が両目眼窩底骨折の重傷を負ったことで対戦は消滅した。田口は17年大みそかにIBFとの統一王者となったものの、昨年5月に敗れて現在は無冠。今回は再起戦を挟まず2階級制覇に挑戦する。

 2人の“因縁”の対戦はTBS系列で生放送される。「いいカードだと思うのでたくさんの人に見てもらえれば」と話す田中は、昨年9月に木村翔(30=青木)を判定で下し、ワシル・ロマチェンコ(現WBA&WBO世界ライト級王者=30、ウクライナ)の世界最速記録に並ぶ12戦目での3階級制覇を達成。だがWBOが年間最高試合に選んだ一戦もテレビ中継は名古屋ローカルで「悔しいものがある」と打ち明けた。それだけに「ブレークしたい」と話す19年初戦は「勝つだけではなく倒しにいきます」。自身2度目の全国中継となる今回は、全国にアピールする勝利を狙う。

 一方の田口も前戦は「日本初の統一王者の防衛戦」にもかかわらず、テレビは関東ローカル。試合も敗れる苦渋を味わっただけに「今回はたくさんの人に見てもらえてうれしい。熱く、震えるような試合をします」と意気込んだ。

 一昨年秋、田中は都内のワタナベジムを単身訪れ、自身の負傷で対戦が流れたことを田口に謝罪した。この時はお互い「縁がなかったのかな」と思ったという。今回の試合についたタイトルは「the Fate」(運命)。拳を交えることを宿命付けられた両雄は全国のファンに最高の戦いを見せられるか。