【ボクシング】世界初挑戦の井上拓真“悪夢の2年”ムダじゃなかった

2018年12月21日 20時01分

公開練習を行った井上拓真

 ボクシングのWBC世界バンタム級暫定王座決定戦(30日、東京・大田区総合体育館)で世界初挑戦する同級5位の井上拓真(22=大橋)が21日、同級2位のペッチ・CP・フレッシュマート(25=タイ)戦に向けて横浜市内の所属ジムで公開練習を行った。

 拓真は2年前にWBOバンタム級王座へ挑むことが決定。発表の会見まで行った。ところが、会見後の練習で右拳を負傷して試合が中止になるという、悪夢のような経験をした。

 それから2年の間に、兄の尚弥(25)は当時保持していたWBOスーパーフライ級の防衛を着実に重ね、今年5月にはWBA世界バンタム級タイトルを獲得して3階級制覇を達成。世界を代表するボクサーとして、10月からはWBSS(ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ)に参戦している。

 偉大すぎる兄を持った宿命とはいえ、常に比較されることで嫉妬や焦りが生じてしまいそうなものだが「それは、ありません」(拓真)。

 むしろ初挑戦が先延ばしになったことで「2年前は下(の階級)からバンタム級に上げたばっかりだったけど、経験を積むことができたし、しっかり筋トレすることができた」と話し、ずっとMサイズだった練習用のTシャツが最近Lサイズに変わったほどだという。苦しいはずだった日々は決してムダではないと振り返った。

 兄が初めて世界王者となってから4年8か月が経過しているが、13戦目でベルトを取れば決して遅い方ではない。兄弟で4団体のバンタム級ベルトを独占する究極の夢に向かって、負けるわけにはいかない。