ボクシングのWBO世界スーパーフェザー級王者の伊藤雅雪(27=伴流)が19日、同級1位エフゲニー・チュブラコフ(28=ロシア)とのV1戦(30日、東京・大田区総合体育館)に向けた練習を公開した。伊藤は7月に日本人として37年ぶりに米国で王座を獲得。国内で自身初の世界戦に向けて「今まで見たことのない人が見に来てくれるワクワク感があります」。約5週間のロサンゼルス合宿などで、軽めのマスも含めると300~350ラウンドのスパーリングを敢行。「フルマークで完勝できると思っています」と自信満々だ。

 すでに米国での統一戦を見据えており、対戦相手にWBC王者のミゲル・ベルチェルト(27=米国)の名前を挙げた。昨年7月に三浦隆司に判定勝ちし、その後はすべてKOで3度の防衛を重ねるWBC王者は、伊藤が米国で拠点とする西海岸で人気がある。そんな相手を倒し、自身の知名度を全米にとどろかせるのが狙いだ。もちろん、対戦オファーをもらえる内容の試合をすることが不可欠。伊藤は「様子を見ることはせず1ラウンドから倒しにいきますし、12ラウンドまで攻め続けられる自信もある。長くやれば、相手が疲れてギブアップみたいになる」。国内で行われるボクシングの試合は伊藤のV1戦が今年最後。完勝で締めて来年の飛躍につなげたいところだ。