日本ボクシング連盟と日本プロボクシング協会は20日、アマチュアとプロの壁を撤廃すべく「第1回プロアマ協議会」を都内で開催。両団体が公式会合を行うのは初の試みだ。一方で助成金の不正流出などがあった日本連盟は日本オリンピック委員会(JOC)から強化交付金不支給の処分が下されたが、両団体の“雪解け”は歴史的な第一歩となった。

 会合で最も注目されたのは2020年東京五輪への対応だ。ボクシングが実施競技から除外される可能性があり、危機感を抱く両団体はプロの歴代世界王者で構成される「世界チャンピオン会」の協力を得て署名活動をスタート。近く五輪存続への「共同声明」を発表し、今週末に来日する国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(64)に署名を提出するとみられる。

 日本連盟の内田貞信会長は「バッハ会長に直接会うのは難しい」と訴えるが、元WBC世界ライト級王者で「世界チャンピオン会」の会長を務めるガッツ石松氏(69)なら話は別だろう。同氏を直撃すると「今まで垣根があったボクシング界が一歩前進したのは良かった」とまずはプロアマ雪解けを歓迎した。

 五輪存続活動には「まだオレのところに何も話がきていない。要請がないのに出しゃばるのは筋が違う」としながらも「きちんとアマ側から『お願いします』って頼まれたらOK牧場だよ。オレはロベルト・デュラン(元4階級制覇王者)やケン・ブキャナン(元統一ライト級王者)とも戦っているからバッハ会長も名前は知っているだろう」と条件付きで了承。さらに「ABCだかIOCだか分からないけど、除外されるってことはボクシング界に何か原因がある。そこに向き合うのも大事だと思うよ」と持論も語った。

 果たして東京五輪も「OK牧場」となるか。