WBO世界スーパーフェザー級王者・伊藤雅雪(27=伴流)が11日、元5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(41=米国)の“大みそか参戦”に待ったをかけた。

 同級1位イフゲニー・シュプラコフ(28=ロシア)とのV1戦(12月30日、大田区総合体育館)に向けた米国・ロサンゼルスキャンプに出発。ストイックな環境で週約30ラウンドのスパーリングをこなす予定で「同じロス近郊で練習しているみたいなので、ぜひやってみたいですね」と、4階級制覇王者マイキー・ガルシア(30=米国)との手合わせも熱望した。

 次期スター候補は年末恒例フジテレビのボクシング中継で、トリプル世界戦のメインに抜てきされた。一方で同局で中継予定の格闘技イベント「RIZIN.14」(12月31日、さいたまスーパーアリーナ)ではメイウェザーと那須川天心(20)の対戦が発表されながら、メイウェザーが「エキシビションと聞いていた」と一方的に試合中止を宣言。RIZINは10日に「実施に向けての話し合いを行っております」とリリースしたが、開催は不透明となっている。

 この一連の騒動に伊藤は「ちょっとショックですけどね、ああいうショーっぽいのに、メイウェザーが出てしまうのは。あれだけ偉大なボクサーが。やらないでほしいですね。スパーリングみたいなのやるんだったら、やらなくていいんじゃないかなって思っちゃいますけど」と心境を吐露。「RIZINやK―1へのリスペクトもありますけど、ボクシングのように世界中で認められているスポーツってなかなかない中で、世界の価値ってすごく高いと思う。僕はボクシングにプライドを持っているので、RIZINやK―1には負けたくない」と闘志を燃やした。現役世界王者の訴えは届くのだろうか。