ボクシングのトリプル世界戦(12月30日、東京・大田区総合体育館)が7日に発表され、メインイベントではWBO世界スーパーフェザー級王者の伊藤雅雪(27=伴流)が同級1位のイフゲニー・シュプラコフ(28=ロシア)を相手に初防衛戦を行うことになった。

 伊藤は7月に日本人としては37年ぶりに米国で王座を獲得。V1戦に向けて「ワクワクしています。挑戦者の気持ちで攻めて、叩きのめしにいけるようにしたい」と語った。会見にはもちろんベルトを持参し、その後の対応でも肩にかけていたが、飾りが外れかけ、ヘコんでいる部分もあるなど新品とは思えないほどの傷みが目立った。

 世界王者のベルトは個人所有。試合後のリング上ではセレモニー的に新王者がベルトを巻くが、すぐに前王者に返還。新王者にベルトが届くのは早くて数週間後になるものの、伊藤の場合は王座決定戦だったためすぐにピカピカのベルトを手にした。「最初の2週間ぐらいはすごく大事にしてたんですけど、ジュラルミンケースが重くて、リュックに入れるようになったんです」。ところが…祝勝会やあいさつ回りに持参するたびに「扱いが乱雑になってしまって…」というわけだ。

 もっとも大事なのはモノとしてのベルトではない。「どれだけ名前のある選手に勝てるかが大事なんだと思います」(伊藤)と、自身が価値のある王者になるためにも、まずは初防衛を果たしたいところだ。

 伊藤は自身の前に同王座を保持した「パウンド・フォー・パウンド」(体重差がないと仮定した場合のランキング)で1位の3階級制覇王者ワシル・ロマチェンコ(30=ウクライナ)との対戦を熱望している。超ビッグネームに少しでも近づくため、ベルトが傷むことは気にせずに自分を磨き上げていく。