WBA世界ミドル級王者の村田諒太(32=帝拳)が8日、米ラスベガスで20日(日本時間21日)に行われる同級3位のロブ・ブラント(28=米国)とのV2戦に向けたスパーリングを公開した。

 本格的な減量に入り、疲労もたまっていることもあってか「踏み込みの意識が強すぎて、体重が後ろ足にかかってしまっていた」と振り返り、スパー後に何度もフォームをチェックした。

「踏み込み」といえば、前夜の「ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)」バンタム級トーナメント1回戦を兼ねたWBA世界同級タイトルマッチでの井上尚弥(25=大橋)のKOシーンだ。「体が勝手に動いて踏み込んでいた」という右ストレートで挑戦者の顔面を打ち抜いたシーンはあまりにインパクトが強く、その影響を受けたのかと思いきや「テレビ、見てなかったんです」との意外な事実を打ち明けた。

 前日7日は渡米前最後の休日ということで、夜は食事へ。帰りの信号待ちの際、前の車の車載テレビで井上が大喜びしている場面が見えて勝利を知ったという。井上が国内のみならず世界に衝撃を与えたことは事実だが、村田自身も大一番が目前。最高の試合をするために、妥協なき準備を続けていく。