元IBF世界スーパーバンタム級王者の小国以載(30=角海老宝石)が26日、現役復帰を発表した。2016年の大みそか決戦でベルトを手にしたが、昨年9月の初防衛戦で岩佐亮佑(28=セレス)にTKO負けして王座陥落。試合後に引退を表明していた。これを撤回し、12月1日に後楽園ホールで再起戦(相手未定)を行うことになった。

 右拳を6年前から痛めており、岩佐戦では思い切り打つことができなかったという。試合後に、定期的に診断を受けていた医師から「手術すれば治る」と言われ、今年1月に手術。7月に完治のお墨付きをもらい、練習で右のパンチを打てることを確認して復帰を正式に決断した。さらにジムの後輩で米トップランク社と契約した岡田博喜(28)の“マネジャー”に就任したものの、今月14日の米国進出初戦を現地で観戦し「10ラウンドにダウンした(試合は判定勝ち)のを見て、こいつはカネにならんなと思った」のも、リングに戻る決断を後押しした…とのことだ。

 13年3月に黒星を喫した後も引退宣言→撤回したとあって、この日は「2度もうそをついたので」と約5000円で調達した「ピノキオ姿」で登場した。「右のパンチを思い切り打てる自分がどんなボクシングができるか楽しみ。スーパーバンタム級のタイトルは今すべて海外なので、皆で頑張って世界戦で日本人対決ができるように」と伸びた鼻とは裏腹に、真面目に復活を誓った。