【ボクシング】“中京の怪物”田中恒成が世界最速タイ3階級制覇 木村を判定2―0で下す

2018年09月24日 17時58分

世界最速タイで3階級制覇を達成した田中恒成

 WBO世界フライ級タイトルマッチ(24日、名古屋・武田テバオーシャンアリーナ)で、同級1位で元2階級王者の田中恒成(23=畑中)が2―0の判定で王者・木村翔(29=青木)を破り新王者に輝いた。12戦目での3階級制覇は、WBA世界ライト級王者ワシル・ロマチェンコ(30=ウクライナ)と並ぶ世界最速タイ記録だ。

 試合開始とともに田中が前に出て積極的にパンチを出した。これに対して、王者は左ジャブや右のオーバーハンドで有効打を放つが、1ラウンドは3人のジャッジのうち2人が田中を支持した。

 文字通り、互いに一歩も引かない激しい戦いとなり、田中が左フックで木村をグラつかせた2ラウンドもジャッジは揃わない。3人の採点がようやく一致したのは、木村が手数で圧倒した5ラウンドだった。

 しかし、6、7ラウンドは木村の右目が腫れたこともあり、田中が全て取った。戦前の予想では、後半にもつれ込むと無尽蔵のスタミナを誇る木村が優位と見られていたが、田中も決して下がることなく応戦する。

 11ラウンドの最後は、互いに手を出す隙を見いだせず、終了のゴングが鳴ると、揃って苦笑いするという珍しいシーンも。最終12ラウンドはまず田中が連打を繰り出すと、入れ替わりに木村が打ち返す。ラスト10秒の拍子木が鳴ると、堰を切ったように互いに最後の気力を振り絞ってパンチを繰り出した。

 試合終了のゴングが鳴り、木村から「強かったよ」と言葉をかけられた田中の返答は「座っていいですか?」。立ち続ける余力もなく、リングにしゃがみ込んだ。その様子が全てを出し切り、もう何も残っていない激闘を物語っていた。

 近年まれに見る激しく、見応えのある試合に、愛知出身の田中に圧倒的な声援を送った名古屋のファンも、試合後は「木村、ナイスファイト」と声をかけたほどだった。

「この試合が決まって、自分と向き合ってきつい練習をして。初心に戻ることができて、気持ちよくボクシングすることができた」と話した新王者は「この階級のテッペンを目指したい」とさらなる高みを見据えた。今後のマッチメークが注目されるところだ。