WBO世界フライ級王者・木村翔(29=青木)が19日、同級1位・田中恒成(23=畑中)とのV3戦(24日、名古屋・武田テバオーシャンアリーナ)向けた公開練習を、東京・新宿区の所属ジムで行った。

 7月27日に中国・青島でV2戦を行ってから2か月もない異例の試合間隔の短さ。それだけに体調面が気になるところだが「いつもは1週間~10日前に疲れのピークがくるのが、今回はなかった。逆に調子が良すぎるぐらいなので一度ペースを落とした」(有吉将之会長)ほどだという。

 9日まで2週間行っていたタイ合宿では、1ラウンド4分間で12ラウンドのスパーリングをこなしていたため、木村は「帰ってきてから、12ラウンドのスパーリングをやっても楽。15ラウンドだってやれますよ」と持ち前のスタミナに絶対の自信を見せる。

 体重も前日の練習後でリミット(50・8キロ)まで1・8キロ。「昨日はリカバリー(疲労回復)のため、夜は鍋をしっかり食べました。食べないといい練習ができない。減量は明日(20日)あたりから始めます」と余裕がある様子だ。

 今回は、協栄ジムのマネジャー&トレーナーとして多くの世界王者を支えた大竹重幸氏(60)もセコンドに入ることが決まった。

 大竹氏は「同じことを繰り返し練習するという意味では、勇利(アルバチャコフ)に似てるかな」と、木村と同じフライ級のWBCタイトルを9度防衛した名王者の名前を挙げて評価した。

 話題づくりの日本人対決ではなく、ランク最上位の挑戦者を迎え撃つ指名試合。王者は「チャンピオンは僕。チャンピオンが強いところをしっかり見せないと」と言い切り、世界最速タイ記録となる12戦目での3階級制覇を狙う田中の野望を打ち砕くことを誓った。