“世界進出”への第一歩だ。IBF世界スーパーバンタム級タイトルマッチ(16日、東京・後楽園ホール)の調印式と前日計量が15日、都内で行われ、V2戦に臨む王者の岩佐亮佑(28=セレス)はリミットを100グラム下回る55・2キロ、挑戦者の同級1位TJ・ドヘニー(31=アイルランド)はリミットの55・3キロで計量を一発でクリアした。

 岩佐は「コンディションもバッチリだし、相手がオーバーしなくて良かった。試合への準備が整った。改めて気合が入る」と引き締まった表情。挑戦者とのにらみ合いにも「向き合っても(相手は)小さいし、圧倒されることはなかった」と王者の貫禄を漂わせた。この日の会場にはドヘニーの家族ら約30人の応援団が詰めかけて、挑戦者の一挙手一投足に「TJ!」「イエーッ!!」などと声援が飛んだ。

 アウェーのような雰囲気にも、王者は「(応援団は)気合が入ってるなという感じ。何ともない」と平然。英国の敵地で試合経験があるだけに「英国の比じゃない。計量の時とかも僕にブーイングですもん」と言い切った。

 何より今回の世界戦は米国のスポーツ専門局「ESPN」でネット中継されることも、大きなモチベーションになっている。岩佐は「とても光栄。海外でも活躍できるような選手を目指しているので、そのきっかけになれば。向こうでは無名ですけど(中継で)映れば名前が売れるということ。“日本にはこんなにいい選手がいるんだ”という試合を見せたい」と意気込んだ。