ボクシングの角海老宝石ジムは13日、所属するWBOアジアパシフィック・スーパーライト級王者・岡田博喜(28)が、世界屈指のプロモート会社「トップランク」(ボブ・アラムCEO)と3年間の契約を結んだことを発表した。

 トップランクが日本人ボクサーと契約するのはWBA世界ミドル級王者・村田諒太(32=帝拳)に続いて2人目。年間3試合をメドに試合を行い、その第1弾は9月14日、カリフォルニア州フレスノでクリスチャン・ラファエル・コリア(36=アルゼンチン)とSライト級10回戦を行う。

 この3週間ほどの間にトントン拍子で契約が決まった岡田にとって、プロ19戦目となる今回は初の米国のリング。さらに急きょ世界戦に“格上げ”になる可能性もあるという。

 当日の興行のメインはWBC世界Sライト級王者ホセ・カルロス・ラミレス(26=米国)のV1戦。だが「挑戦者のアントニオ・オロズコという選手が、計量オーバーの常習者らしいんです。僕はその“リザーブ”という立場で、もし今回も計量で失格したら、繰り上がりで僕が挑戦者となるみたいです」。

 そんなアクシデントがなくても、当日にラミレスと岡田の両者が勝てば、次戦で対戦する見込み。それが、場合によっては前日に初の世界挑戦が決まる可能性があるというのだ。

 日本では聞きなれないシステム。事前の準備はほぼゼロとなるだけに岡田は「そうなったら嫌ですよ」。しかし「ラミレスはもっと嫌なはず。そこを突いていきたい。向こうはベルトを守らなきゃいけないけど、僕は取りにいくだけですから」と力強い。

 目の前に来たチャンスを先送りしても「次」が必ずあるとは限らない。岡田が言うように、相手が試合前日に変わって、より嫌なのは王者の方。最近は木村翔(WBOフライ級、29=青木)、伊藤雅雪(同Sフェザー級、27=伴流)と海外で初挑戦してベルト奪取の成功例が続いているだけに、いい流れに乗っていきたい。