ドン・山根氏の元側近が道連れ自爆 WBA元王者“名城いじめ”告発

2018年08月11日 11時00分

赤井英和(右)のオファーで、近大ボクシング部のヘッドコーチに就任した名城氏(2014年4月)

“ドン”のハラスメントを受けた第3の世界王者がいた!! 日本ボクシング連盟の会長だった山根明氏(78)が8日に辞任を表明したことを受けて、かつて側近だった近畿大学前ボクシング部総監督の澤谷廣典氏(55)が「自爆覚悟」で新たな“ドンのいじめ”を暴露した。WBA世界ミドル級王者の村田諒太(32)、WBA、WBCなどのミニマム級元王者・高山勝成(35)に続き、今度はWBA世界スーパーフライ級元王者の名城信男氏(36)も山根氏から不当な扱いを受けていたというもの。現役、元世界王者の3人につゆほどの敬意も払わず、押さえつけようとした山根氏。「ボクシングを愛している」とは、チャンチャラおかしい。

 山根氏は9日、午前9時過ぎに外出。辞任に関する詳細な説明を求める報道陣の「逃げないと言ったじゃないですか?」という問いかけに「逃げてない」と語るのみだった。連盟の吉森照夫副会長兼専務理事は山根氏に8日に電話し、会長と理事を退くことを確認したと明かした。ただ、アマチュアボクシング界から完全に手を引くのかは不明だ。

 そんななか、本紙は新たな“ドンの被害者”を見つけた。

 2006年、わずかプロ8戦目にしてWBA世界スーパーフライ級のチャンピオンベルトを腰に巻いた名城氏だ。一体どんなイヤガラセを受けたのか?

 名城氏は本紙の取材に「ノーコメント」だったが、山根氏の“悪行”を最初に暴いた澤谷氏がこう明かした。

「おかしな判定で人生の変わった生徒、高体連(全国高等学校体育連盟)の先生への恫喝、そして、名城が干されてる件を晴らしていきたいだけなんです」

 名城氏は現在、近畿大学ボクシング部のヘッドコーチをしている。

 14年の現役引退後、名城氏は当時、近大ボクシング部総監督だった俳優・赤井英和からのオファーに応じ同職に就いた。だが、山根氏は名城氏にアマチュアの資格を認めなかった。先日、自身のアマチュア登録を求めて仲裁を申し立てた高山と同じ構図だ。

 澤谷氏は「16年9月、(近大の)監督やったAが、自衛隊の合宿を取ってきたんです。当然、コーチの名城も行く。それが直前になってAが『山根会長からアマチュアの資格のない名城は連れて行くなと言われました』って言い出したんです。当然、名城は『僕も自衛隊の練習が見たい』って言いましたよ。でも僕らも当時は山根さんに忖度して、名城に泣く泣く諦めさせた。現地では自衛隊の人も『名城君もいい子だし来てほしかった。でも、会長の耳に入ると我々も処分される。ツライです』と言ってました」。

 そして、翌月の岩手国体で事件が起きる。山根氏が突然「Aは連盟の人手に使う」と言い出し、近大は監督不在に。試合前、選手のミット受けを担っていたA氏不在により、澤谷氏は困り果てた選手たちのため名城氏に(A氏の)代わりを命じた。

「翌朝、名城が『会長から電話があって、アップ場で選手たちのミット受けしたから処分してまうぞ!と怒鳴られました』と。急に人手(A氏)奪ったのは向こうですよ? さすがにムカついて無視してたら、連盟から通知が来た。名城は誰かのIDカードを借りて会場に入ったから処分やと。そんなん借りてないですよ。通知には『理事全員一致で決めた』と書いてあったけど、ある理事は後日『名城君、処分されたんですか?』と聞いてきた。通知見せたらビックリしてましたわ」

 結局、名城氏は大学での指導はOKだが、連盟の試合会場には出入り禁止で今に至っている。

 山根氏の好き嫌いについて澤谷氏は「名城のプロ時代、ジムの会長に『全然、チケット送ってこん』と怒ってた。そんなんの積み重ね。名城だけやない。高山君もそうやし、指導者にもそんな仕打ちを受けてる人がいっぱいおる。そんなおかしな政権は一掃して、そういう人に生きる道を与えたいんです」と訴えた。

 いまだ収まらない連盟のゴタゴタにも「どうせ死ぬんやったら、潔く散らんと。まだまだ不当な扱いを受けている人がいっぱいおるし、ウミは全部出し切らんとアカン。僕がダイナマイト巻いて一緒に自爆します」と覚悟を決めた澤谷氏は、山根氏だけでなく、連盟理事の総退陣を要求した。

☆なしろ・のぶお 1981年10月12日、奈良県出身。2003年7月にプロデビュー。06年7月にプロ8戦目でWBA世界スーパーフライ級王座を獲得。07年5月に2度目の防衛に失敗するも、08年9月に王座返り咲き。10年5月に3度目の防衛に失敗。14年4月に現役引退し、近大ボクシング部ヘッドコーチに就任した。26戦19勝(13KO)6敗1分け。