【ボクシング】田口良一は判定で統一王座陥落 リング外でドタバタ目立つ

2018年05月20日 16時29分

ヘッキー・ブドラー(左)に判定で敗れた田口良一

 ボクシングのWBA&IBF世界ライトフライ級タイトルマッチ(20日、東京・大田区総合体育館)、統一王者・田口良一(31=ワタナベ)は挑戦者ヘッキー・ブドラー(30=南アフリカ)に0―3で判定負け。WBA王座は8度目、IBF王座は初防衛に失敗して王座から陥落した。

 最終12ラウンド、田口の左フックがブドラーのアゴを捉え、ダウンを奪ったかに見えた。ところがレフェリーは「スリップ」の判定。しかし、試合終了後、ダウンが認められて採点の集計はやり直しとなった。

 そして、リングアナがコールした採点は「ジャッジ3人とも114―113」。観客の誰もが田口の防衛を信じたが、次にコールされたのは「ニューチャンピオン、ブドラー!」だった。

 試合は序盤から動きの悪い田口に対して積極的に細かいパンチを出したブドラーが、4ラウンドまではジャッジ3人全員の支持を受ける。しかし、5~11ラウンドまでは、3人のジャッジの採点が一致したのは8ラウンドだけ(ブドラーの10―9)という大接戦。最後の12ラウンドも「スリップ」と判定(試合後にダウンに訂正)された後は、ブドラーはクリンチを連発して逃げまくった。

 最後まで仕留め切れなかった田口は「12ラウンド終わった時に『負けだ』と思った」。そしてダウンが認められて集計し直された採点結果も、その通りだった。

 2014年大みそかにWBA王座を獲得し、7度防衛した長期政権がついに終焉。「もうちょっとアウトボクシングしてくると思ったら、ガチガチきて、ペースをつくられた。自分の動きも悪くて“3発目のパンチ”をもらってしまった」と敗因を語った。

 前日(19日)の調印式では、3人のジャッジの一人がブドラーと同じ南アフリカ人だということを知り「判定までいったら相手が有利。気になりますね」と話していた。

 これは数週間前にIBFからジャッジのリストを受け取っていたにもかかわらず、それに対応しなかったジムの不手際。JBC(日本ボクシングコミッション)がIBFと連絡を取り、前日深夜になってメキシコ人ジャッジが日本人に代わった。

 結果として南ア人ジャッジの採点内容も問題や偏りがあるものではなかったが、こうしたドタバタが影響を与えた可能性は否定できない。

 採点を不服とするワタナベジムでは、WBAとIBFの両方に「抗議文」を提出する予定。さらにWBA王座についてはオプション(興行権)を2つ持っており、ブドラー陣営も「次も日本に来る」と話している。

「今は何も考えられない」と話す田口が現役続行を決意すればの話だが、再戦を希望すれば実現する可能性は高い。

 とはいえ、前日のジャッジ騒動でどこかケチがついた感のある世界戦。試合前のセレモニーでは南アフリカ国歌の吹奏が終わり、次は「君が代」の場面でリングアナが「どうぞご着席ください」とアナウンスする失態もあった。

 さらに5ラウンド後のインターバルでは、ラウンドガールが「6」と書かれたボードを逆さまに持っていることに気づかず「9」と表示したまま笑顔を振りまいた。

 テレビは関東と名古屋圏のローカル中継。日本人初の統一王者の防衛戦は「残念」なことばかりが目立った。