総合格闘技デビューの元把瑠都「勝ち方より勝つことにこだわります」

2015年11月01日 10時00分

オープンフィンガーグローブを着けた把瑠都

 目指すは“氷の皇帝”戦! 新格闘技イベント「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND―PRIX」(12月29、31日、さいたまスーパーアリーナ)で総合格闘技デビューが決まった大相撲の元大関把瑠都ことホーヴェルソン・カイド(30)が本紙の単独取材に応え胸中を激白した。オープンフィンガーグローブ姿を初お披露目した“エストニアの怪人”は「元力士に成功した選手が少ない」との声に猛反論。日本の格闘技界の救世主となるべく虎視眈々だ。

 ――デビューが決定

 カイド:来日する前から格闘技は好きだったのですが、日本に来てからPRIDE、K―1をずっと見ていてリングで戦うのは一つの夢でした。

 ――旧PRIDEスタッフの大会でデビューしたかった

 カイド:それもありますけど、ヨーロッパの大会には軽い選手が多い。重くても90キロ。スーパーヘビーがいないので、ならば日本でやったほうがいいのではないかと。

 ――大みそかにさいたまスーパーアリーナで試合をするイメージは

 カイド:テレビで見てきたのですが、大会前のセレモニーも含めすごい緊張感なんだろうなと想像します。デビュー戦ですし。ただ、相撲界にいるときもNHKさんで生中継をされてたし、たくさんのお客さんに見てもらってましたからその意味では大丈夫でしょう。

 ――現在の練習は

 カイド:足腰の強化を重点的にやってます。硬くならずよく動けるようになるためです。(練習相手の)ピーター・アーツさんには「体が自然に動くようにならないと本番でバタバタする」と言われているので、とにかくいっぱい練習したい。素人ですから貪欲にね。

 ――相撲引退の原因となったヒザの状態は

 カイド:2年間治療して自分ではよくなったと思っている。激しい練習をすると少し痛みは出るけど、誰でもスポーツマンにはどこかしら痛いところがあるものです。

 ――力士の格闘技転向で成功例は少ない

 カイド:それを言ってるのはメディアだけじゃないですか。みんな一生懸命やっている。人生は1回なので私はいろんな経験をしたいし、格闘技をやってた人がまた別の格闘技の道に入るのは決して悪いこととは思わない。すごく若い時期に相撲界を離れるということはまずないし、離れてからまた心と体を整えるのは確かに難しい。でも本格的に集中してやれば結果もついてくると思う。「成功例が少ない」って声は全く気にしてない。

 ――力士時代のクセが抜けにくいとも聞く

 カイド:「クセ」という言葉はよくない。今までやってきた柔道や相撲の経験で生かせるものは生かす。そこに今から練習する技術をプラスするという考えです。もともと自分はすり足も下手だったしね(笑い)。

 ――課題は打撃か

 カイド:そうですね。その壁は早く乗り越えたい。でも用心棒の仕事もやっていたのでパンチ力はありますよ(ニヤリ)。将来は“一発”のある選手になりたいね。

 ――KO勝利を狙う

 カイド:それは来年、再来年は間違いなくあるでしょう。今回は初戦なので、まず勝ち方より勝つことにこだわります。

 ――RIZINの2回目以降も出る

 カイド:当然、そのつもりです。一方で海外の試合の風景、雰囲気を感じてみたいという気持ちもありますね。

 ――デビュー戦の相手は未定。榊原信行実行委員長は「日本人プロレスラー」を提案した

 カイド:そこは分からない。でも、いろんなジャンルの人とやるのはいいことでしょう。

 ――希望の相手は

 カイド:デビュー戦なので自分からはない。ただ将来の夢としてずっと見てきたPRIDE、K―1の選手とやってみたいというのはあります。

 ――大みそかに復帰する“氷の皇帝”エメリヤーエンコ・ヒョードル(39)も候補か

 カイド:もちろんですが、そのためにはまだまだ自分が頑張らないと。他にもレジェンドは多いけど、対戦するためには完璧に準備しないといけない。もう少し時間をください。ヒョードル選手が次もし引退するときは、私とやってほしい。とにかく精進します。

☆ホーヴェルソン・カイド=1984年11月5日生まれ。エストニア共和国出身。高校時代は柔道で活躍。2004年に大相撲の三保ヶ関部屋に入門(後に尾上部屋)し、同年夏場所で初土俵、06年夏場所で新入幕。10年春場所で14勝を挙げて大関に昇進。12年初場所で初優勝を果たした。13年9月に引退。198センチ、170キロ。