新格闘技イベント「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND―PRIX」(12月29、31日、さいたまスーパーアリーナ)で青木真也(32)と激突する桜庭和志(46)が、実に4年3か月ぶりの総合格闘技戦への思いを明かした。年齢とブランク、そして現在参戦中の新日本プロレスとの両立といった懸念材料を一蹴する桜庭の主張は――。

 桜庭は29日大会で青木との日本人対決に臨む。総合格闘技の試合は2011年9月以来。ブランクは4年以上もある。それでも「特には感じないですね。練習もしてますし、リングの感覚もまるっきり離れてないですから」と言い切った。

 不安材料を挙げればキリがない。46歳という年齢だけでなく、現在主戦場とする新日プロとの兼ね合いも立ちはだかる。それでもIQレスラーは「問題なし」を強調する。

「僕よりもトシいってるヤツが、米国で何試合もしてるじゃないですか。僕は総合の試合しても1割しかケガしてないですよ。耳が取れたり、ボコボコにされたり、骨が折れたりもしましたよ? でも1割じゃないですか。プロレスのリングでもケガしてる人はいっぱいいるじゃないですか。僕も脱臼したことありますし」

 右耳の裂傷でTKO負けとなった10年大みそかのマリウス・ザロムスキー戦など、これまでも桜庭が凄惨な敗戦を喫した試合はあった。だがそれは栄光を築いてきた日本総合格闘界のパイオニアのほんの一部。マイナスイメージだけで4年ぶりの総合復帰を不安視されたくはない。12年9月から上がっているプロレスのリングも、ファイターとして同様のリスクを背負う場所だからだ。

 それだけに桜庭は青木戦から6日後に控える来年1月4日の新日プロ東京ドーム大会も「頭には入ってますよ」と出場を熱望している。「総合とかプロレスじゃなくて、自分ができることはやりたいなと。どっちも盛り上がったほうがいいという思いはあります」。数々の辛苦を乗り越えてきた桜庭は、誇り高き精神を胸に2つのリングに立つ。