立ち技メガイベント「ＴＨＥ　ＭＡＴＣＨ　２０２２」（１９日、東京ドーム）で行われた「キック頂上決戦」で〝キック界の神童〟こと那須川天心（２３）が、Ｋ―１のエース・武尊（３０）に判定５―０で完勝。試合後に勝因となった緻密な戦略を明かした。

　世紀の一戦で天心が華麗なる〝ラストダンス〟を見せた。１Ｒからスピードで圧倒し的確なジャブで主導権を握る。終了間際には武尊の左フックにカウンターの左ストレートを合わせてダウンも奪ってみせた。２Ｒ、３Ｒも鉄壁のディフェンスで武尊に付け入るスキを与えず判定５―０で頂上決戦を制した。

　勝敗を決した１Ｒに奪ったダウンについて天心は「会心の左でした。コンパクトに狙う。刀のように」と満面の笑みを浮かべた。武尊からかけ続けられたプレッシャーは「今までで一番強かった」と振り返ったが、緻密な戦略と冷静な判断が勝因となった。「相手のセコンドの声が結構聞こえて。『ジャブを捨てろ』と言っていたので、あえて踏み込んで打っていきました」と明かすと同時に「（武尊が）笑ったらこういうパンチが来るとか、そういう癖も研究していた」とも語り、打ち合いの誘いに乗ることなく自分のペースを貫いた。

「チームを信じて戦えた。そこが勝因ですね。チーム天心は最強の仲間なので」と勝ち誇った天心。キックボクシングラストマッチとなった頂上決戦を制し、次はボクシングの舞台で新たな伝説を作る。