立ち技メガイベント「THE MATCH 2022」(19日、東京ドーム)の前日会見が都内のホテルで行われ、〝キック界の神童〟こと那須川天心(23)との頂上決戦を控えたK―1のエース・武尊(30)が悲壮な決意を語った。

 直前の計量を58キロジャストでクリアした武尊は「本当にこの試合のためにたくさんの人に協力してもらって実現したので。人生や、積み重ねてきたものを全てぶつけて、必ず勝ちます」と必勝を誓う。主戦場の60キロ級を2キロ下回る過酷な減量に臨んだ準備期間を「長かったような短かったような感じですけど。僕の人生の中でも特別な期間だったと思って、こんな経験をできて感謝しています。培ってきたものを全部出して、全部が報われる試合にしたいです」と意気込んだ。

 今後は試合の約3時間前に行われる当日計量に向け、慎重にリカバリーを行うことになる。武尊は「こまめに体重を測りながらリカバリーしようと思います。リカバリーを体重を測りながらやったことがないので気を付けながらやります」と話した。

 対面した宿敵の印象を問われると「研ぎ澄まされている感じはしたし、天心選手も最高に仕上げてきてくれたんだなと感じました」。その上で「(事前の)イメージは持たないようにしています。天心選手も世界最高レベルのキックボクサーで何が来るか分からないと思う。戦ってみて、その時に自分の直感を信じて戦おうかと思います。逆に今〝無〟な感じです。いろんな思いはあるんですけど、いい意味で僕の中では無になっているイメージです」と明鏡止水の境に至っているとした。

 フィニッシュについてはいつも通り「この試合に判定はいらないと思うし。KOでどっちかが倒れてどっちかが立っているっていうのでないとハッキリ決められないと思うので、倒して勝ちます」とKO決着しか見ていない。頂上決戦後の展望を問われるも「試合は命の取り合いだと思っている。負けたら死と同じだと思っているので。その後のことは何も考えていないです。とりあえず今は勝つことだけです」と目前の敵に集中した。

 試合まで待ったなし。過酷な戦いは果たして報われるだろうか。