ロシア総合格闘技(MMA)連合の要職を電撃辞任して物議を醸していた〝人類最強の男〟エメリヤーエンコ・ヒョードル(45)が、同連合のラドミール・ガブドリン会長の解任を画策して〝クーデター〟を起こした。

 ヒョードルは同連合で監査部門の会長を務めていたが、4月上旬に突如として辞任。本人がその理由を説明しなかったことから様ざまな憶測が広がっていた。

 そうした中、事態は急展開を迎えた。

 ロシアメディア「スポーツ24」は「ヒョードルとロシアMMA連合の幹部会が、ガブドリンに辞任を求めた。ヒョードルは彼への不信感を表明し、彼に職を辞するよう迫っている」と報道。ヒョードルが主導して幹部を招集し、同連合を率いるガブドリン会長の解任を動議した。つまりクーデターだ。

 これに対してガブドリン会長は「私はこの決定が非合法であると考えている。幹部会の決定に効力はない。私は自分のポストを離れるつもりはない。こうした要求は不快だ」と辞任を拒否し、徹底抗戦の姿勢を示した。

 ヒョードルの一連の行動はロシアによるウクライナ侵攻と関係があるとの指摘があり、その真の狙いとともに今後の動向に注目が集まる。