立ち技打撃格闘技「RISE」の年間最大興行「RISE ELDORADO 2021」(28日、横浜アリーナ)で、〝キック界の神童〟こと那須川天心(22)が志朗(27)に判定3―0で勝利した。

 2人の初対決は19年9月の「RISE WORLD SERIES 2019 58キロトーナメント」決勝で、那須川が3R判定勝ちを収めている。

 その後、リベンジを目指す志朗は昨年開催された「那須川天心挑戦者決定トーナメント」に出場し、優勝。実力でリベンジの権利をつかみ取った。対する那須川はK―1のエース・武尊との対戦に注目が集まり、さらに来年にもボクシングに転向すると示唆しており、ここで負けるわけにはいかない。

 そんな中、ゴングが鳴らされた1Rは積極的に前に出た神童がコントロールした。鋭いパンチに加え、左ミドルを放つなどペースをつかむ。さらにローキックも交えて志朗を追い込み、2Rもそのまま支配した。

 3Rも那須川の展開。序盤から飛びヒザ、ジャブを当てると強烈なパンチを顔面にヒットさせて志朗をグラつかせる場面もあった。最後までダウンはなかったが、攻撃させずに攻撃し続けた那須川が判定3―0で勝利した。

「格闘技っていろんあパターンがあって、打ち合うのもいいですけど、駆け引きがあって、その中で勝つことができて、自分も強くなれたと思います。久々に駆け引きで試合して勝てたのがうれしいです。そういうふうに成長させてくれた志朗君ありがとうございます。いろいろ『ボクシング行く』とかいろんな試合が言われてますけど、キックにいる時間って短いんですよね。最後はRISEに恩返ししたいと思います」と那須川は話した。

 果たして次に那須川の対角線上に立つのは…。