石井慧が欧州現地リポート コロナだけじゃない!大地震に大雪!クロアチアは三重苦

2020年04月17日 16時35分

震災ボランティア活動で石井(右)は助け合いの精神を感じた

 新型コロナウイルスの脅威は、とどまるところを知らない。甚大な被害に苦しむ欧州は、いったいどういう状況なのか? 東欧のクロアチア・ザグレブを拠点とするMMAファイター・石井慧(33)によると、現地はコロナ禍だけでなく地震、寒波の自然災害が直撃して深刻な事態だという。先日、米フロリダ州オーランドの様子を伝えた“悪魔仮面”ケンドー・カシンに続き、石井からのクロアチア緊急リポートをお届けする。

 日本の皆さん、お久しぶりです。元気だけが取りえの石井慧です。まず自分の現状ですが、試合は全部キャンセルになりました。3月28日にダブリン(アイルランド)でグラップリングの試合が予定されていたんですが、中止。ポーランドの格闘技イベント「KSW」にも出る予定でしたが、中止になりました。それは相手のケガなんで、コロナは関係ないんですけど…。

 調子は練習もガンガンやってるんで絶好調です。ジムの使用が禁止されてしまい、ミルコ・クロコップのところも閉めてますけど、僕は友人のプライベートジムに行ってやってます。もともと家とジムの往復しかしてなかったので、そんなに影響はないですね。むしろ無駄な金を使うことがなくなったので、たまってきてますよ(笑い)。僕はいつだって前向きですから。

 クロアチアの現状は日本より大変だと思います。もちろん、外出禁止令も出ています。3月中旬には完全に家から出たらダメっていう時期が2週間くらいありました。飯はどうするんだ?ってなりましたけど。急にこうなったから、政府もあの時は対応が追いつかなかったんでしょう。

 今は少し暖かくなって、制限付きながら買い物などなら外出できるようになっています。でもスーパーマーケットが営業時間を制限されていて、どこも午後5時で閉まっちゃうんですよ。しかも一度に入れる人数が決まっているので、みんな外で行列をつくって待っていて。営業時間を制限するのは、かえって逆効果なんじゃないかなって思います。

 あと、こっちの人はみんなで一緒にコーヒーを飲む時間を大事にするんですけど、コーヒーショップが閉まっちゃってるんで仕方なしに公園にたむろして飲んでます。でも運が悪いと、そこに警察が回ってきて切符を切られるんです。今、クロアチアは3人以上が集まって密集してたら罰金を取られるようになっていて、最初は10万円。2回目以降増えていって、4回目になると50万円くらい取られます。

 病院も、コロナ専用以外は全部閉まっています。お隣のイタリアと同じで病院で感染が広まったので、それで閉まってしまいました。持病があって手術待ちの人も受けられない状態で大変みたいですよ。医療崩壊みたいな状態ですね。ザグレブから違う街への移動もダメ。都市間の移動は完全に封鎖されています。

 コロナだけじゃないんです。この間は大寒波がきて大雪が降りましたし、その前の3月22日には地震が発生しました。マグニチュードは5・3。こっちはもともと地震がほとんどなくて、これほどの規模は140年ぶりくらいだったそうです。阪神・淡路大震災と同じ早朝にきました。あの時のトラウマがあるから、メチャクチャ怖かった。

 僕の住んでいる地域は新しい建物だから大丈夫でしたけど、築200年とかの建物が密集している旧市街地の被害が大きくて。建物が崩壊したりしたので、僕も被災した人の家具を運び出したりとかボランティアをしました。外出禁止の中、家が倒壊して避難所暮らしの人もいるんです。

 まさにこんな大変な状況ですけど、僕は人の絆の強さを実感しています。多分クロアチアの国民性なんですけど、みんなの助け合う意識が強いんです。みんな献血に行ったり、被災者に食料を届けたりしてます。外国とかで聞く買い占めの話も聞いたことがないです。

 でもそうはいっても、早く元に戻ってほしいですよ。気はめいらないけど退屈で。どうやってしのいでいるかって? 実は株の勉強を始めたんです。付き合っている彼女がもともとファイナンシャル系の会社で働いていたんで、いろいろ教わりながら。今リーマンショックみたいな感じなんで、この後逆にチャンスがくるかもしれないじゃないですか。あとは語学の勉強をやってます。クロアチア語はもちろん、英語ももっと流ちょうになりたいんで。あとはロシア語ですね。なんでかって? ロシアの女を口説きたいんで…。

 最後に東スポ読者の方に伝えたいのは「俺はインフルエンザにはかからない。風邪をひかない。コロナにもならない」という根拠のない自信を持つのが大事だということです。「病は気から」って言いますから。実際これだけで、僕も親もインフルエンザにかかったことがないんです。気持ち、自信が大事ですよ。一緒に乗り越えましょう!