立ち技打撃格闘技イベント「RISE 133」(5日、東京・後楽園ホール)で那須川天心(20)の妹・那須川梨々(16)が紅絹(35)との「初代RISE QUEEN アトム級王座決定戦」に判定負けした。

 梨々は2018年6月のデビューからこの日が4戦目。6戦で同バンタム級王座を獲得した兄の記録更新を目指した。試合序盤はその兄と父・弘幸さんの声を背に前へ出て、強烈なパンチを何発もヒットさせる。しかしベテラン・紅絹の牙城を崩すことはできず。2Rから反撃に苦しみ始め、疲労も見え始めた4、5Rはペースを完全に相手に譲った。

 最終5Rまで両者倒れることはなかったものの、結果は梨々が判定0—3で敗北。涙を流しながらリングを降りた妹について兄・天心は「当たり前の結果。もともと、勝てたらラッキーだな、くらいに思っていた」。普段の練習姿勢に対して強烈なダメ出しをして「なめているところがある。強いやつはもっと練習しているし、人生を懸けてやっているんですよ。(今後は)やりたいならばやれっていう感じ。教えてほしければ教えるよっていうスタンスです。あとは意識の問題。意識をどうしたらいいか」と、あえて突き放した。

 厳しいスケジュールの合間を縫い、極限まで自分を追い込むからこそ言える言葉。最後に「いつの時代もやるやつはやるし、やらないやつはやらない」と尊敬する矢沢永吉の言葉を引用した兄の言葉を、妹はどう受け止めるか。才能は誰しもが認めるところだけに、再起が期待されるが…。