韓国の格闘技イベント「ROAD FC 050」(11月3日、韓国・大田忠武体育館)でチェ・ムベ(48=韓国)と対戦する“野獣”藤田和之(48)が、総合格闘技(MMA)での3連勝を誓った。このまま白星を重ね、最終目標はもちろん日本でのMMA復帰。因縁がある“あの男”へのリベンジをもくろんでいる。

 千葉・外房で取材に応じた藤田は、チェ戦に向けて「必ず勝ちたい。最近はトレーニングもしっかりできているし、酒も炭水化物も取らずに節制していますから」と大量のすしを頬張りながら話した。

 ケンドー・カシンから「真面目になってつまらない」と指摘される通り、このところ週3〜4日は千葉県内の格闘技ジムに通う日々を送っている。これも、MMAでの3連勝を目指して意識改革した証しだった。「チェは同じ世代で格闘技に関わってきたし、ずっと意識してきた存在ですよ」と口にして遠くを見つめると、ハイボールを飲みながらこう続けた。

「このまま勝ち続ければ、日本のリングも見えてくるだろうから負けられない。日本のリングには一人、借りを返さなきゃいけないヤツがいますから。あと、人のことを真面目って言うけどさ、本当に真面目なのはどっちだよって話じゃないか」

 具体名こそ明かさなかったが、日本のリングで借りを返すべき相手といえば、2敗を喫しているミルコ・クロコップ(44=クロアチア)しかいないだろう。

 野獣の闘争心を再着火させる出来事もあった。3杯目のハイボールをあおると「この間、ドラマで俳優業に挑戦しまして…」と語り始めた。出演するドラマは「牙狼〈GARO〉」のテレビシリーズ最新作。TOKYO MXやBS11で放送されており、今月25日放送の第3話に登場する。

 初の俳優業を「泣くシーンがあったんですけど、うまくできました。号泣は得意みたいです」と人騒がせな自虐ネタを披露しながら振り返った。さらに「役柄が“元プロレスラーの格闘家”だったんですよ…。それで『ああ、俺は元プロレスラーなのか』って思いました。元プロレスラーな以上、格闘技しかない。残された格闘技でもっと頑張らなきゃって」

 何だかよく分からないが、とにかくモチベーションが高まっているのは事実。結局、この日は昼から7杯ものハイボールを飲み干した野獣は、決戦が待ちきれない様子だった。