ひふみんの愛称で親しまれる“将棋界のレジェンド”加藤一二三九段(78)が2日、都内で開催中の「朝日新聞ReライフFESTIVAL」でトークショーを行った。

 独特のキャラクターがウケて、人気はうなぎ上りだ。「芸能の仕事は楽しいですね。私が歩んできた人生の中で身につけた知識や経験が生かせる世界ということで喜んでいます。結構、雑学の人間で数学や化学は苦手ですけど、何の話題がきても知らないということはほとんどありませんね」と自信を見せた。

 昨年は声優、歌手としても活動し、年末の「FNS歌謡祭」(フジテレビ系)に出演した際には、前代未聞の歌い直しをして話題となった。

「私は『ひふみんアイ』という名曲を持っていますから。これからはあの、この、えーと、たとえばなんだろう。あれは、欅坂46とコラボするのもいいかなと思っています。2曲目も考えています」と歌手活動の続行を表明した。

 最近は有名になり、街中でもよく声をかけられる。「ありがたいことですね。私はすべての人間は仲間という意識があるので、接した人を不愉快にさせないというスタンスです。私はあまり計算しません。自然体で飾らないのが声をかけられる理由かもしれませんね」と笑みを浮かべた。

 ところで、ひふみんといえば敬虔なキリスト教徒としても知られる。

「イスラエルに行って神様にお祈りをささげて帰って来ると、いい将棋が指せてタイトルが取れたという経験が2回あります。素朴に考えれば神様のおかげですけど、理屈をつけるとすれば、気分転換ができてテンションが上がったということでしょうか」

 テレビでの大活躍も神様のご加護かもしれない。