SKE48「復活モード突入」の裏に地元回帰作戦

2017年10月05日 16時57分

9周年前夜祭「ミッドナイト公演」で歌うSKE48(C)AKS

 アイドルグループ「SKE48」が5日、劇場デビュー9周年を迎えた。AKB48初の姉妹グループとして2008年、名古屋・栄に誕生したSKEは12年から3年連続でNHK紅白歌合戦に出場するなどブレークを果たしたが、15年に人気ナンバーワンの松井玲奈(26)が卒業してからは“停滞”モードに…。しかし今年に入ってからCD売り上げや動員力が再び上昇に転じている。SKE復活モード突入の理由とは――。

 

「こんなにお客さんが入るとは。SKEはやっぱりすごいね」。7月30日の中日阪神戦後にナゴヤドームで行われた盆踊りイベントを見た中日関係者の間からは驚きの声が上がった。中日は7連敗中だったにもかかわらず、この日は3万5000人を超える満員のファンが詰めかけた。松井珠理奈(20)らSKEメンバーが参加する試合後のイベント目当てにペンライトやうちわを持ったSKEファンが大挙して駆けつけたことが観客動員アップにつながった。

 14年にナゴヤドーム(3万3000人)、15年には豊田スタジアム(4万5000人)でのコンサートを満員にしたSKEは「名古屋のアイドルの中でも動員力はずばぬけています」(地元テレビ関係者)といわれている。だが、そんなSKEも2年前からは停滞ムードが漂った。玲奈の卒業、冠番組の終了、48グループ内でのAKB優先システムに対する不満などが重なって、それまでのファンが乃木坂46などに流出。昨年、発売した2枚のシングルは玲奈卒業前よりも大きく売り上げを落としていた。

 そんな危機を打開しようと運営サイドとメンバーが一体となって取り組んだのが地元回帰の動き。その中心となったのが「LOVEあいちサポーターズ あいち広報大使」の活動だ。SKEは11年に愛知県から広報大使に任命されていたが、16年から愛知県との関係を強化してより積極的に地元での広報活動に取り組むようになった。交通安全運動や美術館イベントなどがあるたびにメンバーが参加してアピール。SNSでも愛知県のPR活動を積極的に展開した。

 また官公庁関係の仕事とは別に16年からJR名古屋駅に隣接する地下街「エスカ」の広報大使にも就任。年間1500万人が往来する巨大地下街にメンバー全員のポスターが貼られたことで、SKEの名前を名古屋の表玄関で大々的にアピールすることができた。

 こうした地元での活動を続けているうちに少しずつ流れが変わっていった。「愛知県でSKEを応援してくれる人たちが増えていったんです」(SKE関係者)。多くの地元行事に参加したことでできた“つながり”が新たな仕事やイベント出演を呼び込み、それに伴って地元メディアに取り上げられる機会も増えていった。グループ活動が活気づけばファンも戻ってくる。4月から東海テレビで約2年ぶりに冠番組が復活したことも勢いに拍車を掛けた。

 今年2月に発売されたセカンドアルバム「革命の丘」は12年に発売されたファーストアルバムとほぼ同じ売り上げを記録。そして新センター・小畑優奈(15)で勝負をかけた最新シングル「意外にマンゴー」が予想を上回るセールスを見せた。「前作の『金の愛、銀の愛』は1年かけて出荷枚数が50万枚に到達したんですが『意外にマンゴー』は7月に発売されたにもかかわらず、早くも50万枚の出荷枚数が目前となっています。この勢いに乗って早く次のシングルを出してたたみかけていきたいですね」(エイベックス関係者)と所属先のレコード会社も確かな手応えを感じている。

 もちろん人気、売り上げともピークだった13~14年ごろに比べると数字的にはまだまだ足りないが、反転攻勢の足場は固まった。地方初の48グループであるSKEが“地元密着”を武器に「第2次ブレーク」を果たせるか、要注目だ。

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