将棋の最年少プロ棋士・藤井聡太四段(14)が7日、大阪市の関西将棋会館で行われた「第2回上州YAMADAチャレンジ杯」で3連勝を飾り、自身が持つプロデビューからの公式戦最多連勝記録を「23」に伸ばし、全体の連勝記録でも羽生善治3冠(46)の持つ22連勝を超え歴代単独3位となった。1位は神谷広志八段(56)の「28」で、2位は丸山忠久九段(46)の「24」。あと6連勝で新記録となる藤井四段に、将棋大好きアイドル、乃木坂46の伊藤かりん(24)が熱~いエールを送っている。

 勝ち進めば1日3局をこなすこの日の対局は、持ち時間20分の早指し戦。果たして藤井四段は早指しを得意とするのか、将棋愛好家の間でも意見の分かれるところだったが、ふたを開ければ、都成竜馬四段(27)との1回戦を終始優勢に進め93手で破った。

 勢いそのままに、午後からの2回戦では阪口悟五段(38)を139手で破ると、連勝記録は羽生3冠らと並ぶ「22」に。続けて行われた3回戦でも宮本広志五段(31)を141手で破り、あっという間に連勝記録を歴代単独3位となる「23」に更新した。

 この快挙に藤井四段は「早指しということもあって、内容に関してはいろいろ悪いところ、反省点もありましたが、結果として3連勝したのはうれしいです」と振り返った。

 目覚ましすぎる中学生棋士の大活躍を注視し続けているのが、アイドル界きっての将棋マニアで知られる乃木坂46の伊藤だ。

 趣味・特技は将棋という伊藤は、月刊誌「将棋世界」(マイナビ出版)で連載を持ち、NHK「将棋フォーカス」の総合司会を務めているほどの筋金入り。それだけではない。昨年、将棋段級位認定試験を受験。東京・将棋会館で中川大輔八段(48)と四枚落ち(飛角香)で対局し、日本将棋連盟から棋力1級の認定を受けている。その後も加藤一二三九段(77)、谷川浩司九段(55)と四枚落ちで対局するなど、本気の将棋活動を続けている。

 その伊藤は藤井四段の力について「最年少プロ棋士誕生という話が昨年末話題になった際、すごい14歳がいらっしゃるんだなあと驚きましたが、まさかプロ公式戦が始まってから全勝の23連勝するほどの強さだとは想像もしていませんでした。将棋が題材となった漫画『3月のライオン』がアニメ化、映画化され話題になりましたが、作品の中の主人公も中学生棋士として活躍し、夢のようなストーリーでしたが、その漫画の中の主人公を超えるくらいの活躍ぶりです」と大絶賛。

 さらに「テレビのインタビューを見ていても、藤井さんの受け答えはとても中学生とは思えないほどしっかりしていて、謙虚さの中に力強さがあって、一将棋ファンとしてとても応援したくなる方です」と熱く語る。

 藤井四段への期待は天井知らずで「連勝記録歴代1位超えまであと6勝ですが、ここまで連勝が伸びていることが本当にすごいことで、あと6勝も本当に大変なことだとは思いますが、この記録を超える瞬間を見てみたいです。そして先日決まった竜王戦本戦出場も、どこまで勝ち進めるのか、藤井さんのこれからの活躍を楽しみにしています」とエールを送る。

 藤井四段の次の対局は10日で、今期からタイトル戦に格上げされた叡王戦予選で梶浦宏孝四段(21)と対戦する。勝ち進めば同日に最大2対局を行い、連勝記録が歴代2位の「25」まで伸びる可能性がある。