没後10年となる劇作家・つかこうへいさんの名作「飛龍伝」の新バージョン舞台の主演に、「欅坂46」でキャプテンを務める菅井友香(24)が大抜てき。その激しい内容が菅井とファンを急成長させている。

「飛龍伝」は安保闘争を舞台に、全共闘を率いる女委員長・神林美智子が革命の夢と現実のはざまで、愛する者たちに翻弄される姿を描く。これまで美智子は初代の富田靖子をはじめ広末涼子、桐谷美玲らが演じてきた。

 そして今回上演されるのが、菅井にとって初主演舞台となる「飛龍伝2020」(30日初日、東京・新国立劇場)。“8代目神林”を演じる菅井は、14日に都内で行われた公開稽古に、共演のお笑いコンビ「NON STYLE」石田明(39)らと参加。「偉大な女優さんが演じられてきた役を私も受け継いでいけるように、真摯に向き合っていきたい」と抱負を語った。

 今回は紅一点で多くの男性キャストに囲まれる。「中・高・大と女子校で、欅坂でも女の子だらけなので、最初はすごく緊張してしまった。みなさんの声量とか汗に動揺した部分もあったんですが、今は毎日のお稽古が落ち着く空間になっています」と明かした。稽古では男性キャストに劣らない見事なアクションを披露。俳優・味方良介には激しく抱擁されるシーンもあった。

「胸をもまれるような描写もあり、乗馬が趣味のお嬢様育ちの菅井が演じることに、当初はファンから複雑な声が上がっていた。だが、今は『女優としての成長につながる応援をする!』などと温かく見守るファンが増えている。これも一生懸命で性格の良さが人気の菅井だからこその現象です。この舞台を通じて、いろんな意味でファンも忍耐力が付いているようですね」(芸能プロ関係者)

 演出家の岡村俊一氏は「純粋な人を『真っ白いキャンバス』と言いますが、菅井さんは『透明』。こんな純粋な人は見たことないし、初めて出会った逸材」と話せば、石田も「弱音も吐かず頑張って、演技の進化がえげつなさすぎて焦ってます」と絶賛する。ひと皮むけた新たな菅井が期待できそうだ。