人気アイドルグループ「乃木坂46」が1日、明治神宮野球場で「真夏の全国ツアー2019」の千秋楽公演を開催。卒業コンサートを兼ねた同公演をもって、キャプテンを務めてきた桜井玲香(25)がグループから卒業した。

 毎年恒例の全国ツアーは7月3、4日のナゴヤドーム公演を皮切りにヤフオクドーム公演、京セラドーム大阪公演を行ってきた。グループ6年連続となった神宮球場公演は8月30日から3日間開催で各3万5000人、計10万5000人を動員し、ツアーの総動員は計29万人に上った。

 桜井は2011年8月に乃木坂46の1期生オーディションに合格。翌12年2月のメジャー・デビューシングル「ぐるぐるカーテン」に向けて、初代キャプテンに選ばれた。センター経験こそなかったが、シングル24作全てで選抜入り。大事なMC時によくかんでしまうことから“ポンコツキャプテン”という愛称で親しまれた。

 中盤MCで桜井は、2日から新キャプテンに就任する1期生の秋元真夏(26)と2人トークを展開。「MCの時、真夏が、だいたい助けてくれた。ありがとう」と感謝。8月14日の京セラドーム公演でバトンタッチが発表されたが「真夏さんに決まったのは本当にまさかで、まさかだった。私よりも年も上だから」と驚いた。

 ファンの前で発表した同日の公演前に、メンバーにも伝えられていたそうで、秋元は「シーンとした中での発表でドキドキしたけど、メンバーが駆け寄ってくれた。後輩たちも『真夏さんでよかった』と言ってくれて。でも、まだキャプテンになるのが想像できないし、玲香が卒業しちゃう実感もない」と心境を明かすと、桜井は「これから大変だと思うけど、頑張っていきましょう!」とあえて元気に声をかけた。

 アンコール後、桜井は純白のドレス姿で登場。卒業スピーチでは、16年夏の全国ツアーを体調不良で1か月半ほど休業したことが、キャプテンとしての転機になったことを明かした。

「休業から復活ライブをしたのも、ここ神宮。山ほど仕事があって、リリースもかぶってたり、アイドルとしてもキャプテンとしてもどうしようもなくなって休業しちゃった。アイドル辞めなきゃいけない、芸能界も辞めなきゃいけないと思って、目の前が真っ暗になった時期。でもメンバー、スタッフさんも『最近、こんな感じだよ』と連絡をくれて。ファンの方も赤の他人の私を自分のことのように心配してくれた。メンバーとスタッフさん、ファンの皆さんが支えてくれたから、ここに立ててる。その時に本気でこのグループを守らなきゃいけないと思った。遅かったかもだけど、休業したタイミングでした。いろんな思い入れがある神宮で卒業を迎えられて、皆さんに見せられてるのは奇跡です」

 グループを卒業しても芸能活動を続け、ソロとして“乃木坂46”の看板を背負っていく覚悟があるという。

「これから先、夢がある。一人で頑張ろうと思うけど、あんまり寂しくはない。アイドルはもういいかなと卒業するのではなく、卒業しても乃木坂は一生関わってくると思っています。卒業した後に『(桜井は)乃木坂46のキャプテンだったんだよ』と言ってもらいたくて。メンバーに背中を見せたいと思って、卒業を決めた。寂しくないのは、これからも乃木坂だからなのかな。私は、これからも乃木坂46を作っていく人の一人。これからもそれを刻んで、活動していきたい。皆さん、これがお別れじゃない。ワクワクして待っててもらえたら」

 その後、総合プロデューサーの秋元康氏が作詞した自身初となるソロ曲「時々 思い出してください」を泣きながら熱唱。「秋元さんに出会ってなかったら、人前に立っていろんな景色を見られなかったので、本当に感謝しています」と頭を下げた。