昨年末の「第60回 輝く!日本レコード大賞」(TBS系)で、乃木坂46の「シンクロニシティ」が平成最後の大賞に輝き、一昨年に続き連覇を達成した。2011年8月にAKB48の公式ライバルとして誕生した乃木坂46。これで11年、12年にレコ大連覇を達成しているAKBに並んだかのように見える。だが、乃木坂にはメンバーが痛感している、まだ越えられていない“AKBの壁”があるという。それは――。

 連覇は14、15年の「三代目 J Soul Brothers」以来3年ぶり8組目。女性グループでは、AKBに続き史上2組目の快挙となった。

 乃木坂は、昨年7月から9月にかけてグループ初のドーム&スタジアムツアーを行い、東京、大阪、宮城など全国6か所11公演で過去最多の53万人を動員した。12月には、中国・上海で初の海外公演も成功させた。

 個々のメンバーの活躍も顕著で、多くのファッション誌の専属、レギュラーモデルとして活動している。特に白石麻衣(26)は、日経トレンディの「2018年 今年の顔」に選ばれ、初のCMクイーン(14社)にも輝いた。

 昨年はリリースしたシングル3作が全てミリオンセールスを達成。2年連続の大賞にもふさわしい活躍ぶりで、まさに栄華を極めた感もあるが、まだまだAKBに対して“越えられない壁”をメンバーが感じているという。

「大賞を受賞した『シンクロニシティ』は150万枚を突破しました。ただ、公式ライバルのAKBには『ヘビーローテーション』や『365日の紙飛行機』のように、老若男女に広く知られている名曲が多くある。乃木坂メンバーもその点で『まだまだAKBさんを超えられてはいない』と言い合っている」(レコード会社関係者)

 グループとして一大ムーブメントを起こしたタイミングでの楽曲や、「365日の紙飛行機」のように、NHKの朝ドラの主題歌ともなった楽曲と比較されては、さすがに浸透度合が低いと言われても仕方ないところだが、それでも乃木坂は男女ともに若い世代には絶大な人気を誇るグループだ。センターの白石をはじめほとんどのメンバーは父母世代、祖父母世代への浸透を今年の目標に掲げているという。

 昨年は4月に生駒里奈(23)、11月に若月佑美(24)ら屋台骨を支えてきた1期生が相次いで卒業。さらに、現役メンバー最多のシングル6作でセンターを務めてきた西野七瀬(24)も大みそかの「第69回NHK紅白歌合戦」を最後にグループから卒業した。

 これから幅広い世代にグループの知名度を浸透させるためには、メンバーの新陳代謝も避けて通れない。これは公式ライバルであるAKBも苦しんできた点だが、次期エース候補に挙がるメンバーは多いという。

「中心メンバーとして、もっとも期待されているのは、1期生の齋藤飛鳥(20)と言われている。昨年はCM出演数でも4位(11社)にランクインするなど大ブレーク。ハーフ美女の齋藤は、海外進出も加速させているグループにあって“乃木坂46の顔”として世界での活躍も求められている。また、3期生の与田祐希(18)、山下美月(19)も次世代エースとして大きな期待がかかっている」(出版関係者)

 絶対的なエースとしてグループ随一の知名度を誇る白石も今年27歳を迎える。他の1期生のように、卒業が視野に入っていることは間違いない。ライバルに負けないだけの大ヒット曲が生まれるか注目だ。