齋藤飛鳥(20=乃木坂46)が初出演した映画「あの頃、君を追いかけた」(長谷川康夫監督)が10月5日から全国公開される。2011年に台湾で大ヒットした作品の日本リメーク版で、主人公の高校生・水島浩介役に若手演技派の山田裕貴(28)、齋藤はクラスメートで超優等生の早瀬真愛を演じる。この2人がインタビューに応じた。

 お互いに思いながらもすれ違う2人と仲間たちの思いを描いた青春群像劇だが、オファーを受けた際、齋藤は「私でいいのかなという気持ちが強かった。お芝居はたくさん経験しているわけじゃないですし、(相手が)山田さんなので余計、粗が目立ってしまう」と不安を抱えていたという。

 それを解消したのが山田。「アイドルではなく女優・齋藤飛鳥さんだと思って接した。浩介と真愛はすれ違っていく、という内容だったので僕からはあえてお芝居の話はしなかった。非常に申し訳なかったんですけど、でも熱を持ってやってくれて、一緒に映画を作っているという気持ちを持つことができた」。齋藤は「浩介そのもの。自然とみんなの輪の中にいる」という山田の人柄にも救われ、徐々になじんでいった。

 特に山田が絶賛したのが齋藤の泣きの演技。元プロ野球選手で現広島の山田和利二軍内野守備・走塁コーチ(53)を父に持つ山田は「僕は苦手なんです。泣くな泣くなって育てられたので。でも(齋藤は)ぽろぽろ泣いていた」と称賛する。

 そんな2人の関係は現場スタッフにも浸透していたようで、見どころのひとつである?山田の全裸シーン撮影時には、齋藤にスタッフが「何もこちらから聞いていないのに、きのう山田、裸の撮影だったよって(笑い)」知らせてくるほどになったという。

 女優として臨んだだけに、齋藤は挑戦的なシーンにも挑んでいる。ファンの反応が気になってもおかしくないが、齋藤からは意外な言葉が返ってきた。

「私のファンの方って私に対して優しいので、皆さんなら大丈夫、受け入れてくれるだろうなという気持ちです。それに今、私のファンの方の中で山田さんの好感度がぐんぐん上がっているんです。もうみんな山田さんのことが大好き。乃木坂のえらい方やスタッフさんも好きになっているので、大丈夫かなって思います」

 これには山田も思わず「俺、この1年、一番そこ丁寧に生きたもんね。むっちゃ丁寧に生きたから」と破顔一笑。そんな山田を見て齋藤も「女優としての自信はゼロです。でも面白みが分かったので、もうちょっと続けたいです」。次作が見られる日も遠くはなさそうだ。