コント日本一を決める「キングオブコント2022」の決勝進出者が6日、発表された。中でも注目されるのは、即席ユニット「最高の人間」が決勝進出したこと。即席ユニットの決勝進出は、お笑い界では〝快挙〟と受け止められている。
「最高の人間」は、女芸人№1決定戦「THE W」で優勝した吉住と〝クズ芸人〟として人気の岡野陽一のコンビ。ただ岡野も、かつて組んでいたコンビ「巨匠」として、14、15年と2年連続でキングオブコントで決勝進出を果たした実力派だ。実績十分の2人だが、それでも〝快挙〟と言われるのはなぜなのか?
キングオブコントでプロの即席ユニットが解禁されたのは、まだ昨年のこと。漫才日本一を決めるM―1グランプリでは、即席ユニットは最初から認められていて、20年には「おいでやすこが」が準優勝したのは、まだ記憶に新しい。
ただキングオブコントで即席ユニットの出場が認められても、実際に決勝進出を果たすのは〝至難の業〟と見られていた。というのも最近、同大会のクオリティーがものすごく上がっているからだ。
昨年、優勝した空気階段が1本目に披露した「SMクラブでの火事」は歴代最高得点を記録。「笑いだけでなく人間ドラマも見せた」と大絶賛された。
この大会後、東京で活動するあるお笑い芸人は「即席ユニットが出られることになったから、『来年、出ようか』って他の芸人と話してたけど、空気階段さんのネタを見て『これはムリ』と思った。コント師と言われるコンビが、何度も何度も舞台にかけてブラッシュアップしたネタに、即席ユニットで挑んでも勝てるわけがない」と話していた。
確かに即席ユニットが解禁された昨年の大会には、「キングオブコント2014」で優勝したシソンヌ、準優勝のチョコレートプラネットが組んだ「チョコンヌ」が出場したが、決勝進出は果たせなかった。
即席ユニットにとって決勝進出は高い壁と思われたが、「最高の人間」はあっさりクリアした。さらに決勝で結果を出せば、大会後には「おいでやすこが」のような超売れっ子になるかもしれない。