東京都は29日、「育休取得応援サミット」を開催し、育休に代わる新しい愛称を「育業」とすることを発表した。選考委員として、タレントの杉浦太陽や元衆院議員の金子恵美氏らが参加した。

 小池百合子東京都知事は「法制度の面は進展しているが実際には育休取得にちゅうちょする人は残念ながら多い。育〝休〟は決して休みではない」と言葉のイメージを変える必要があると問題意識を訴えた。

 新愛称には8800の応募があり、選考委員たちが選んだのは「育業」だった。小池氏は「『育休いただいてもいいですか、すいません』と謝るのではなく、『私は育業中です』と胸を張って言える社会にしたい」と語った。

 選考にあたった杉浦は「育業という言葉はピッタリ」と納得顔。「育業を取ることで育児の基礎を学べるし、子供とのスキンシップを取ることができ、夫婦の絆を深めることができる」と利点を訴えた。

 一方、リモート参加の金子氏は夫の宮崎謙介氏が衆院議員時代に「育休宣言」をしたときのエピソードを披露。「永田町のベテラン議員から毎日呼び出しを受けた。最たる発言が『育休取るの? いいね、その代わり一生休んでてもらっていいから』だった。こんな価値観が根づいているなかで、育休を取る空気感は醸成できるものではない」と暴露した。

 育業と愛称を変えることで社会は変わるのかどうか。