1983年に「トゥルー」の名曲(全英1位)を放った英国のニューロマンティック系人気バンドのスパンダー・バレエの元ボーカリスト、ロス・ウィリアム・ワイルドが、女性7人に対して強姦や性暴行を働いたことで起訴された。

 英「ザ・サン」紙などが27日(日本時間28日)に報じた。ただし、ロスはオリジナルメンバーではなく、2018年に創設メンバーのボーカリスト、トニー・ハドリーの脱退に伴って加入した後任であり、バンドは翌年にトニーの復活を待って解散。実質な活動期間は2年足らずだった。

 同紙によるとロスは合計7人の女性から強姦と性暴行の罪に問われているという。犯罪の時期は13年10月から17年12月の間で、ロンドン北部のフィンチリーにある彼の自宅で複数の性的暴行が行われた模様だ。さらには17年6月にシュルーズベリーのホテルで同様の犯行に及んだとされている。

 加えて18年5月にカンヌ映画祭でも同様の事件が発覚したと同紙は報じている。ロスは同月にのスパンダー・バレエに加入。今になってバンド加入前に複数の女性には睡眠中にわいせつ行為をはたらき、その最中の自身を撮影。バンド加入直後にもレイプ、恐喝、そして性的なプライベート写真を公表し、告発された模様だ。

 ロスは23日にスコットランド・アバディーンにある実家で逮捕されたが、弁護士のクリス・トムズ氏は「彼はプロの音楽パフォーマーです」と話すのみで、正式な罪状認否はなかった。それでも強姦罪については「固く否定します。彼は裁判を続ける意向です」と語った。

 ロスは現在拘留中で7月22日にロンドンのウッド・グリーン刑事法院に出廷予定。80年代に名曲を立て続けにヒットさせた英国を代表するバンドが、後任者のおかげで名声に大きな傷がついてしまった格好だ。