ヘンリー王子&メーガン妃が米動画配信大手ネットフリックスで配信予定のドキュメンタリーシリーズのため、〝左寄りの政治色〟の濃い女性監督を起用し、すでに1年以上にわたり番組制作に携わっていると米紙ニューヨーク・ポストの芸能サイト「ページ・シックス」が27日伝えた。

 同シリーズは王子夫妻の日常を追うリアリティ番組風のドキュメンタリーで、監督を務めるのは米アカデミー賞候補にもなったリズ・ガルバス氏(52)。ヘンリー王子夫妻が昨年9月、ニューヨークを訪れた際、極秘で同行したカメラ班と行動するガルバス監督の姿が目撃されていた。

 同サイトによると、3日間のニューヨーク滞在中、国連プラザの高級マンションに滞在した王子夫妻を撮影するため、ガルバス氏はスタッフらと共に撮影機材をコートやバッグに隠して運び込み、2人を撮影する様子や、別のイベントでも人目につかないよう、夫妻をカメラで追う姿がとらえられていた。

 ガルバス氏はインスタグラムで自身の政治色をはっきりと打ち出しており、人工中絶に関する女性の権利の保障を覆した先週の米連邦最高裁判断に抗議したり、民主党の特定候補の支持を訴えている。

 同氏はこれまで、犯罪や司法制度などを題材とした数多くの社会派ドキュメンタリーを手掛けた。米国の悪名高い刑務所をテーマにした作品と、60年代公民権運動の活動家で歌手のニーナ・シモンの人生を描いた作品で、それぞれ1999年と2016年にアカデミー賞ドキュメンタリー作品賞にノミネートされた。

 一方、英王室の政治的中立は伝統的に不文律だが、王室離脱したヘンリー王子&メーガン妃は米国に移住して以来、気候変動などの社会問題で革新的な立場を主張している。20年の米大統領選でメーガン妃はバイデン候補支持の表明こそしなかったものの、著名フェミニズム活動家グロリア・スタイネム氏に協力し、有権者に対して投票所に行くことを呼び掛けるなど、政治色を帯びた活動を展開している。