26日放送されたTBS系日曜劇場「オールドルーキー」初回は、アスリートのセカンドキャリアとスポーツビジネスという2つのテーマがドラマの稜線をなしていく感じで始まった。

 元サッカー日本代表の新町(綾野剛)は引退不可避を悟り、一度面談したスポーツマネジメント会社社長(反町隆史)らに泣きつき、コーチ、解説者、タレントと進路希望を並べ立て、ことごとくダメ出しされる。コーチに至っては、ライセンスが必要なことを社長に指摘されて思い出す体たらくだった。

 この会社は「すべてのアスリートにリスペクトを」とうたいながら、土下座する新町を邪険に扱う。そんな仕打ちを受けなくてもいい道が、他になかったのか。

 ドラマの設定は2022年6月。Jリーグは02年に「キャリアサポートセンター」を設立している。趣旨として「引退した選手が自立して社会生活を営み」「Jリーグを離れる選手のキャリアサポート業務」という文言がみられる。10年以降は「選手教育」活動に重点をシフトしているというが、新町にとって頼るべき選択肢になり得たはず。これもまた、知らなかったのか、忘れてしまっていたのか…。

 視聴者のツイッター投稿では「ここまで考えてない人も珍しくないってことなのか」「セカンドキャリアを考えない選手なんて流石にいないでしょな感じ」という反応もあれば、新町の「60歳まで現役」発言から、セカンドキャリアを「あえて考えず」にきたのだろうという解釈も。

 後輩のブンデスリーガー(横浜流星)に「こっちの人(裏方)になっちゃったんだ」と言葉を投げかけられた新町。蹴りかけたボールを拾い上げて投げた演出が、それを如実に物語っていた。