【直撃!エモPeople】歌手・タレント、しょこたんはどこまで進化するのか。中川翔子(37)のデビュー20周年写真集「ミラクルミライ」(発売中)が話題となっている。デビュー以来、歌手・タレント・声優・女優と各界で活躍してきたが「生きた証の集大成」という写真集をきっかけに大きく変身を遂げそうだ。中川が秘話とともに20年を振り返った。

 昨夏、ユーチューブで公開した水着動画が驚異の1200万回再生とバズったのをきっかけに実現したのが10年ぶりの写真集「ミラクルミライ」。これまでのイメージを覆すような妖艶・セクシーさから“ガチすっぴん姿”まで攻めている。

「動画がバズってなければ、写真集という発想もなくて、事務所スタッフも私も、今年が20周年ということすら忘れてたので本当に奇跡、ミラクルの結晶です。水着のほかにランジェリーや一糸まとわぬ花びらだけのカットにも挑戦してます。デビュー当時の体形までがんばって絞ったので、男性はもちろん、女性にも見てもらいたいです」

 中川は2007年から08年まで8か月にわたり本紙でコラム「しょこたんの生きた証」を連載。それはデビュー以来のキーワードだ。

「オタクで“陰キャ”だった中学の卒業文集には顔が半分しか写っていなかったんです。今死んだら、この地球に生きた証が残らない。勉強も運動も、みんながやれることもできなくて、自分はできない人間だと思って暗かった。でも芸能界では学校でできなかったことが全部形になったんです」

 グラビアアイドルでデビュー後、「ギザ〇〇」などの語録とアニメや漫画などの知識でブログの女王となり、バラエティー番組に引っ張りダコ。歌手デビュー、紅白歌合戦出場、漫画家、声優、女優とマルチに活躍してきた20年だった。

「デビュー当時は『3年で消える』と言われ、私もそう思ってました。でも歌、バラエティー番組があって、どちらかだけだったら消えていたと思う。『何の人?』と言われて悩んだり、30代になって『生き残るために1つに絞ろう』と事務所で会議もしましたが、全部あっての自分。子供のころに憧れていたことが実現した時から、子供たちに思い出や夢を届けたいと思いも変わっていった。今、20代後半の人から『小さいころから見てきました!』と言われるようになって“エア子育て”の夢がかなったんだ~と思いますね」

 活躍の裏に不安はつきまとい、休業、引退が頭をよぎったが、その都度、救いの神が現れたとも。

「昨年、仕事のことで悩んでいた時にNHKのラジオ『今日は一日松田聖子三昧』に出演すると、私が“宇宙が生み出した財産”とあがめる聖子さんご本人がサプライズでスタジオにいらして、私に『あなたは才能があるからいつも楽しみにしてる』というお言葉と、香水までプレゼントしてくださって、泣くしかできなかった。聖子さんはたたずまいもお肌、スタイルも宝石。若々しさのお手本にさせてもらってます」

 4月に亡くなった藤子不二雄(A)さん(享年88)からは理想の大人像を学んだ。「誰かの話をする時、藤子先生はいつも『あの人にはこんないいところがある』と人の長所を探す天才でした。そういう大人になりたいし、自分に対しても短所ばかり考えるのではなく、ここは自信を持とうと考えることを教わりました」

 SNSで弱音を吐く中川にファンが長所を褒めてくれ、原動力になる。今回の写真集の告知の際も、中川の自信のなさが顔を出すと「“こんなにがんばったから見て”と言えばいいんだよ」と言われ、目からうろこが落ちた。

「褒められても今までは“私なんか…”と反射的にザリガニのように後ずさりしてたんですが、それを“やめる法律”を作った。これからは素直に感謝してうれしいと思うことを美容液のように浸透させたいですね」

 将来の夢を聞くと、中川らしく、次々と思いがあふれてきた。

「猫の楽園みたいな巨大な場所を作りたい。保護猫カフェであり雀荘でもあり、ステージがあって私も歌う純喫茶でもある。さらには私が描いた油絵を展示する画廊でもあって、私が気まぐれに作る激辛カレーが食べられるような…」

 20年を節目に“陰キャ”を封印し、オトナになった中川の今後が楽しみだ。

 ☆なかがわ・しょうこ 1985年5月5日生まれ。東京都出身。2002年「ミス週刊少年マガジン」に選ばれる。04年、ブログ開始。06年、歌手デビュー、07年、NHK紅白歌合戦初出場。バラエティー番組への出演、声優、女優、イラストレーターなど活動は多岐にわたる。20年、ユーチューブチャンネル「中川翔子の『ヲ』」を開設。現在の登録者数は約89万人。21年8月投稿の水着動画が1200万回再生され、21年に最もバズった女性タレント動画に選ばれる。