19日放送されたNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で、源頼朝(大泉洋)の妻・北条政子を演じる小池栄子が、オープニングクレジットのキャストで先週に続いて2番目に位置した。

 クレジットでは主人公北条義時(小栗旬)が筆頭で、2番目はかつて頼朝の子を生み、紆余曲折を経て義時と結ばれた八重(新垣結衣)の定位置だった。八重が死に、12日の第23回から政子が〝昇格〟し、19日の24回でも変わらなかった。

 ドラマは折り返しを過ぎ、19日には頼朝夫妻の娘・大姫が若くして病死した。建久8(1197)年だった。終盤にはうなされて熟睡できない頼朝の姿に「死が間近に迫っている」とのナレーションがかぶされた。頼朝は1199年に死んでおり、物語上はあと2年の命ということになる。

 頼朝死後、源氏の将軍は3代実朝で途絶え、政子と義時の父である時政を初代とする北条氏の執権政治に移る。この間、政子も「尼将軍」と称され実力を持った。

 ここまで事実上のダブル主演ともいえた小栗=義時と大泉=頼朝。その一方が近々欠けるが、夫亡きあとも政子の〝御威光〟は弱まらない。史実では、2代頼家の後継を巡る比企能員の乱など比企氏との軋轢や、同じく将軍人事に絡む牧氏事件で、政子は相手側人物として名前が出てくる。

 後者に関してドラマでは、お牧の方にあたる、りく(宮沢りえ)と政子の緊張関係が描かれてきた。事件は時政・お牧VS義時・政子の構図で、時政側が意中の将軍擁立に失敗している。

 19日の劇中、大姫の死を嘆く政子に「強くなるのですよ」とりくが促す場面がある。これは抗争への布石なのか。番組ホームページによると、作者の三谷幸喜氏は「悪女・牧の方」という既成イメージに沿った描き方はしたくないという。するとこのセリフは、尼将軍の面目躍如たる承久の乱につながる好意的なものなのか…。