映画監督の是枝裕和氏(60)が13日、東京・港区のスペースFS汐留で映画「ベイビー・ブローカー」(24日公開)の凱旋記者会見を行った。

 是枝監督の最新作「ベイビー・ブローカー」は主演が韓国の名優ソン・ガンホという〝日韓タッグ〟作品。「赤ちゃんポスト」を中心に人間ドラマが展開する。同作は先月、仏・カンヌで行われた「第75回カンヌ国際映画祭」のコンペティション部門に正式出品され、「最優秀男優賞(主演、ソン・ガンホ)」「エキュメニカル審査員賞」の2冠に輝いた。カンヌ映画祭出席後、韓国でのプロモーションを終え、この日の会見に臨んだ。韓国では初日興行収入第1位を獲得している。

 是枝監督は「ソン・ガンホさんの名前を呼ばれた瞬間にこの作品にとって最高のゴールであることに気付きました。役者が褒められるのが一番うれしいんですよね。特別な夜になりました」と喜んだ。海外チームとの仕事も多い同監督だが「演出は自分の我を通させてもらいました」と、日本流で撮影に臨んだという。

 登場する赤ちゃんのキャスティングに関しては「動きのいい子。音に反応してくれる子、その基準で選びました。それが当たったというか。ご両親が帯同してくれていて、医療体制もしっかりしている。何かあった時にはすぐに病院に行ける体制が整っていました」と明かした。

 受賞後のパーティーでは「ハビエル・バルデムがいて、写真を撮ってもらおうと思ったんですけど、指さしてもらえて『知ってる』と言われたことが一番うれしかったですね。単純な映画ファンですね」と笑った。