俳優の渋川清彦(47)が主演する映画「生きている。」(監督・豊田利晃)のワールドプレミアが7月24日に行われることが8日、発表された。

 狼蘇り信仰を軸に2019年「狼煙が呼ぶ」、2020年「破壊の日」、2021年「全員切腹」と毎年、混沌の時代に挑む作品を作り続ける「狼蘇山シリーズ」の2022年最新映画「生きている。」が完成した。

 同映画は神社の祭りに松明を持って現れた男が騒動を起こす18分の短編映画で主演は豊田監督の盟友である渋川、映画音楽は「ZAZENBOYS/NUMBER GIRL」の向井秀徳、エンドクレジット曲を切腹ピストルズが担当した。以下、豊田監督のコメント。

「毎年、2月6日に和歌山県新宮市で行われるおとう祭りに10年以上参加している。白装束に身を包み、身体に荒縄を巻き、松明を持って山に上り、御神火をつけて階段を駆け下りる。火祭りとも呼ばれる祭りだ。原田芳雄も20年以上、参加していて一緒に山に上ったのは僕にとって宝のような想い出だ。コロナパンデミックの影響で2年連続、今年も中止になった知らせを聞き、原田芳雄や中上健次が愛した祭りを、自分たちで映画の中で再現してみたくなった。祭りとは一年に一度、自らの霊性に目覚め、生命力を自覚する日だ。そして仲間たちと逢える日。一日で終わり、また普段の日常に戻っていく祭りは、どこか映画作りとよく似ている。『映画は祭りだ』とは映画人がよく口にする言葉だ。この時代に生きる意味を問いかける、力が溢れ出すような映画にしたいと思った。生きているのかいないのか、それは自分だけが知っている。生きていること、それだけがいつの時代でも希望の証だ」