5日放送されたNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で、源頼朝(大泉洋)が朝廷から征夷大将軍に任ぜられ、懐かしのフレーズ「いい国作ろう鎌倉幕府」を思い出したとの声がSNSで相次いだ。

 打倒平家の挙兵から12年後の1192年、全国を平定した頼朝は後白河法皇(西田敏行)死後に征夷大将軍の地位を手に入れ、妻北条政子(小池栄子)と大はしゃぎして喜び合った。

 かつて日本史の学習では、この西暦年から「いい国(1192)作ろう鎌倉幕府」と語呂合わせの暗記法が流行した。その後、同年はあくまで大将軍就任の年であり、鎌倉幕府は実体としてそれ以前に始まっていたとの認識が定説化された。幕府成立は源平合戦さなかの1185年とされる。

 5日の放送でも「鎌倉幕府」のセリフやナレーションはなかったが、ツイッターでは「我々の時代は『いい国作ろう鎌倉幕府』だった」「『いい国――』で覚えた世代です」「懐かしい」と懐古の声が発せられた。

 著名歴史学者の和歌森太郎氏が監修した「日本武将100選」(1970年)には「建久元年、権大納言右近衛大将に任ぜられると共に鎌倉に幕府を開き――」との記述が見られ、古くは1190年説もあったようだ。

 同書によると頼朝のピークは大将軍就任当時。ドラマでは九条兼実(田中直樹)を通じて朝廷コントロールを図るが、数年後に待ち受けるのは兼実の失脚…。22回と折り返し地点に達した「鎌倉殿」は後半、これまでにも増して血なまぐさい展開になりそうだ。