フジテレビの解説委員の風間晋氏が1日、「めざまし8」(同局系)にリモート出演し、長引くロシアのウクライナ侵攻によって起きているロシア軍内部の反乱、経済制裁について語った。

 番組では、ウクライナ保安庁が公開したロシア兵とみられる兵士の音声紹介。ロシア兵同士が銃を向け合い対立する様子が語られた。

 英国国防省によると、ロシア軍の中級~下級の将校に壊滅的な人的損害が出ており、幹部や指揮官が不足し、士気が低下し、一部で反乱が起きているという。ウクライナメディアによると、ロシア兵の脱走や、ロシア国内では軍の入隊事務所への襲撃が相次いでいるという。

 風間氏は「想定していた以上に戦争が長引いていることが(ロシア軍に)様ざまな不満、疑問を呼び起こすことにつながっていると思う」と分析。

 さらに、プーチン大統領の盟友とされてきたロシア正教会のキリル総主教が「ウクライナ教会が苦しんでいることを私たちは完全に理解している」と発言。これまでロシアのウクライナ侵攻を支持してきた国教のトップがウクライナ寄りの発言をしたことで、プーチン政権を支持してきた高齢者層への影響が大きいとみられている。
 ロシア軍内の反乱の背景について、筑波大学の中村逸郎名誉教授は「多くの犠牲者が出ているにもかかわらず、戦勝記念日(5月8日)までに戦果が上がらなかったこと、ベラルーシなど旧ソ連諸国からも支援が受けられなかったことがある」と解説した。

 風間氏は「ロシアとしてはベラルーシは衛星国。都合のいいように利用したいという考え方があったと思うが、思った以上にベラルーシが言うことをきいていない。のらりくらりやられているという感覚があるのではないか」とみている。

 ロシアに対しては新たな経済制裁がEU(欧州連合)で決まった。船で輸送されているロシアからの石油の輸入を禁止。ロシア最大の大手銀行「ズベルバング」を国際送金システムから排除した。

 風間氏は「人によっては、原油を運ぶタンカーはEUの港に入れなくてもインド、中国に行って原油を売ることも可能なので、ロシアの収入的には経済制裁がそんなに響かないんじゃないかという見方もあるにはある。といってもインド、中国がEUの輸入量をすべて取り込むことができるかというと到底不可能なので、相当の影響はあると思います」と解説した。