〝元ジュノンボーイ〟稲葉友(29)主演のBL映画「恋い焦れ歌え」が27日に封切られ、稲葉や相手役・遠藤健慎(21)らが都内で舞台挨拶に立った。

 性暴力を受けた主人公・桐谷仁(稲葉)が、その加害者を名乗るラッパーKAI(遠藤)に日常を狂わされ、葛藤しつつも再生しようとする話。一昨年話題をさらった「性の劇薬」の配給元が手掛けたBL映画の第2弾だ。

 稲葉はオファーを受け「飛び込むのはすごく怖い役だなと思った」という。かたや1000人オーディションで役を掴んだ遠藤は「覚悟を決めてったので、そういったシーンもあるってのも聞いてて(中略)内心緊張しつつ、ワクワクして撮影には臨みました」。

 そんな遠藤を刺激したのが、仁の妻・仁美を演じたさとうほなみ(32)。自分の出番をさとうは1日で撮り終えた。その1シーンを見ていた遠藤は「思ったより仁美ってすごい仁のこと愛してるなっていうのをすごい感じて、そこで僕のKAIとしてのやらないといけないことへのギアも、ちょっと1コまた入った」という。

 仁が仁美に「俺は男が好きなんだよ!」と叫ぶシーンでは、その稲葉の声が近所に丸聞こえ。撮影をよくする場所だと知ってる近隣住民も、撮影スタッフに「今日はずいぶんハードな撮影してるんですね」と漏らしたほどという。

 3人の演技を「誰にも見せたくない心の動きだったり、体の動きだったりっていうことを、全部潔くさらしてくださった」とほめたのは熊坂出監督。中でもベタぼめしたのがさとうで「みんなを引っ張ってってくれるベースとなるビートを、ずっと体から胎動してるような感じがずっとあった」という。人気バンド「ゲスの極み乙女。」のドラマーが本業のさとうは「1日(の撮影)だけで? ありがたいです」と恐縮していた。

 さとうはもともと稲葉と知り合いで「『友クンに付いてくのでよろしくね』っていうふうに一番最初の段階で言わせてもらったら、『任せろ』って言ってくれたので、乗っかっただけですね、私は」と謙遜。稲葉も「ほなみだったら大丈夫だと思って、けっこう安心して寄り掛かれた部分はあったと思います」と振り返る。内容はディープだが、3人のチームワークはバッチリだったようだ。