女優の鳳恵弥(41)が11日、都内で行われたシリーズ4作目となる「こと~築地寿司物語~百年の絆」公開リハーサルに出席し、前作で共演した渡辺裕之さんの死を悼んだ。

 本作は日本初の女性寿司店主・中野里ことを中心に戦中戦後を強く明るく生き抜いた人々の絆と暖かさを、現代の全ての世代に贈る物語。

 主演を務める鳳は「本日はご来店誠に有難う御座います。この作品は本日のゲストシーンにもご参加を頂いた築地玉寿司四代目、中野里陽平さんとそれぞれの祖母のお話をしたことがキッカケでした。そんな話が盛り上がって、同世代随一の演出家として今はイギリスに留学中の中野敦之さんに演出、そして尊敬する江頭美智留先生に脚本を担当して頂いて始まりました。本当に素晴らしい共演者、お客様にも恵まれて瞬く間に人気舞台シリーズとして続けさせて頂きました」と挨拶した。

 本来は2年前に公演する予定だったがコロナの影響で中止され、今年ようやく公演されることになった。鳳は2年間の思いと今月3日に亡くなった渡辺さんの思いを語り涙ぐむ場面も。

「先程、素晴らしい共演者と申し上げましたが、そのお一人であり、私にとっては時として父であり、時として兄である。そして、このシリーズ舞台ではなんと息子を演じて頂いた偉大なる大先輩を亡くしました。誰よりも早く稽古場に来て、誰よりも熱心に本を読み込み、板の上に立つ瞬間まで、カメラが回る直前までどうしたら作品がよくなるかを考え続ける方でした」と思い出を語った

 最後に「その背中を追いかけ、また薫陶を受けた1人として、この作品を守り、また恥ずかしくない役者道を歩みます。先ずはこの作品を最高の仲間たちと走り抜き『なんだよ~鳳、俺もまた出たいよ~』と言っていただけるような作品にしたいと思います。裕之さん、観ていて下さい」と誓っていた。