俳優の谷原章介がMCを務める「めざまし8」(フジテレビ系)で6日、熊本県八代市の私立秀岳館高サッカー部のコーチによる部員への暴行事件について思いを語った。

 この問題は4月20日、動画がSNS上で拡散して発覚。熊本県警が暴行容疑でコーチを書類送検した。同校は5日、騒動後初の記者会見を開き謝罪。全校生徒を対象にしたアンケート調査で、サッカー部内の暴行行為をこの事件以外に38件確認し、うちこのコーチによる行為が24件あったこと、生徒がケガをしたケースが5件あったことなどを明かした。

 谷原は「子を持つ親として納得はできませんし、僕らの世代は体罰を受けてきた世代でもあるんですが、今はそれもどんな理由があっても許されないと思ってます。ただ、あの動画を見て思ったのは、生徒を立たせて後ろから蹴って、殴る。これって暴行事件でもあると同時に愛がまったくないなと本当に思う。愛に先走って手が出たというのもあるのかどうかも考えたりするんですけど、そんな余地すらまったくないなって」と憤りの表情で語った。

 MCの永島優美アナウンサーは「暴行したコーチは2年間で24件の暴力があったということが今回わかってます。それだけ日常化しているというの本当に怖いなと思います」と話した。

 これに谷原は「永島さん、お父さんはサッカーをやってこられて、サッカーってこんなもんじゃないでしょ?」。永島アナは「サッカーってことで蹴る練習をしているわけであって、人より蹴る力は強いと思うので信じられないです」。

 谷原は「それで暴行するというのは考えられない」と語気を強めた。

 この問題では、最初の暴行動画公開の2日後、部員11人が〝主体的に〟謝罪する動画を部公式ツイッターに投稿したとされたが、実際はこの謝罪動画をサッカー部の段原一詞監督が指示していたことも判明した。

 谷原はこれに「そもそも生徒の思いを尊重して(と言いながら)自分は顔を出さず、公開で生徒だけに謝罪をさせるというのはわからない」と疑問視。そのうえで「二転三転する説明は生徒を守るというより、監督自身、もしくは学校を守るという風に響いてくる。生徒への責任転嫁、内部調査をしても(実態が)伝わってこなかったという責任逃れも強く感じる」と批判した。

 最後は「人格形成、教育も大事。同時に勝負に勝つというのも大事だと思う。そこに向き合う過程で学んだり、友達との連帯感だったり友情を勝ち取ったり、いろんなことを経験できる。どっちかだけじゃダメだと思う。勝利だけじゃダメだし、もちろん人格形成が一番の本願だということを学校側には改めて見つめ直していただきたいと強く思います」と持論で締めくくった。