個性派俳優・松重豊(59)が都内で18日、お笑いコンビ「ANZEN漫才」のみやぞん(36)との縁を明かした。

 出演映画「ツユクサ」(29日公開)の完成披露イベントでのこと。同作は、日常で起こる小さな奇跡がテーマ。松重は「最近起きた奇跡」を聞かれ、先日まで出演していたNHKの朝ドラ「カムカムエヴリバディ」の撮影で東京と大阪を行き来していた時のエピソードを、ものまねを交え披露した。

 新幹線の車内である朝、自分の予約した座席に人がいた。「〝あ、やだな。座ってるな~〟と思って。すごいリーゼントをした人だったんで〝あ、声掛けるのもやだな~〟と思って…。マスク越しに〝なんか見たことあるぞ〟と思ったら、みやぞんていう芸人さんだったんですよ」

 松重が「すいませ~ん」と声を掛けると、みやぞんはパッと立ち上がり「お久しぶりです、どうも~! これからお仕事ですか?」と聞いてきた。「あぁ、そうですけど、そういうことじゃなくってあの、チケット間違ってないですか?」と返す松重。みやぞんは「あ~スイマセン。じゃ。でも、こうやって会えてなんか良かったです」と、後方に下がって行ったという。

 芸人は初対面でも「久しぶりです」と返すよう芸能人教育されているのかと、松重はまず思ったそうだが、実際は違った。「昔の記憶とかがすごく良くて、みやぞんさん、なんか面白い人じゃないですか。で、一応調べたら、芸人さんをやる前にあるドラマのエキストラで野球部員として入ってて…っていうのがウィキペディアに書いてあって、その野球部の監督(役)を僕、やってたんですよ」

 松重は「あ!そん時のこと言ってんだ!」と我に返り、みやぞんを捜したが「もう降りていなかった」そうだ。

 それは2007年のフジテレビ月9ドラマ「プロポーズ大作戦」で、ANZEN漫才にとってこれがテレビ初出演。みやぞんは主役の山下智久を同じエキストラだと思い、なれなれしく接したが、山Pからは「ありがとね」と神対応されたという。こんなウィキ情報を松重はしっかりチェックしたようだ。