国際政治学者の三浦瑠麗氏が「めざまし8」(フジテレビ系)で29日、ロシアとウクライナの停戦交渉がこの日からトルコで再開されることについて言及した。

 三浦氏は「トルコは非常に重要で、NATO(北大西洋条約機構)の一員だけど、EU(欧州連合)には入れてもらっていなくて、ロシアから武器を買っていたりして物議を醸してもいる。かといってロシアと蜜月かというと、ロシアの戦闘機を撃ち落としてしまってたりしていて、戦闘行為もしたことがあるけれども、お互い別の側についてはいるけど、シリアのでの戦闘の停止などに関してはロシアと話し合える関係にある」と解説。

 トルコの「ヒュリエト」紙によると、ロシアとウクライナの停戦交渉では、ウクライナの中立化、非武装化と相互の安全保障、ウクライナの「非ナチ化」、ロシア語の使用制限の排除などの項目で両者が歩み寄りを見せているとし、東部ドンバス地域やクリミア半島の地位についてはいまだ開きがあるという。

 三浦氏は「トルコの独自の位置というのは紛争でもこれからの国際社会でも非常に重要になってくると思う。NATOのメンバー、まさに当時者がロシアと話し合える状況にあるのは最後の最後は頼りになるなという気がします。トルコの外相がツイッターで様々な発信をしているんですが、いくつかの合意しなきゃいけない項目の中で棚上げにできる部分がある。両者の主張が折り合わないのがドンバス地域の主権だと思うが、そこを実効支配しているロシア軍を攻めないとか、玉虫色の棚上げというのも可能だと思う。何がすでに合意可能で、何が話し合いで見込みがあって、何がまだ進展していないのかというのは、かなりトルコは状況を把握しているなという印象ですよね」と独自の分析をした。