
国際政治学者で山猫総合研究所代表の三浦瑠麗氏が「めざまし8」(フジテレビ系)で29日、英タイムズ紙などが報じたロシアの諜報機関FSB(ロシア連邦保安局)によるプーチン大統領の暗殺計画について言及した。
番組では同紙が報じたロシアの内部告発者の情報を特集。それによると、FSBはプーチン氏がウクライナ政府転覆の失敗を諜報員の責任としたことから、プーチン氏に対するクーデターの可能性が日々増大しているとし「20年間、プーチン政権は安定し、FSBの職員、体制内部にいる人達は良い暮らしができたが、今はそれがすべてなくなってしまった。彼らにとってこの戦争が経済的にも破壊的な状態」などと報じたという。
また、ウクライナ国防省情報総局は20日、フェイスブックで「ロシアのエリート層はプーチン大統領暗殺計画を考えている。毒殺・急病・事故の一つになる可能性がある」などと伝えた。すでにそのエリート層はプーチン氏の後継者としてFSBのボルトニコフ長官を望んでいるという。
これに三浦氏は「西側でそれを望んでいる諸国は米英を中心に多いですよね。ちょうど米国のバイデン大統領がポーランドで演説をし『この男を権力の座に留まらせてはならない』と言って、後から修正に追われるという出来事があったばかり」と指摘。
そのうえで「私はロシアの専門家じゃありませんので、同列に比較することはできないとわかっているのですが、イラクの時を思い出していただくと、どこかでクーデターを期待する声とか、情報機関でもクーデターは成功するんじゃないかという見通しを当時の米ブッシュ大統領に示した経緯というのがあって、常にシナリオはあるんですけど、意外と世の中の独裁者ってクーデターでその座を追われていないよな、っていうのがあるので、私はそこは楽観はしていない。何が起きるかわからないんですけど、FSBのような暗殺をしてきたような人達がクーデターをしたとして、もっとましな人が出てくるんだろうかという疑問もあるわけですよ」と独自の見方を示した。
クーデターや暗殺の可能性については「それもありうるなと思いながらも、でもやっぱりプーチン大統領の合理性というのはおそらく彼なりにあるんだろうと思う。軍事的に劣勢になってきて、向こうが通常兵器で攻めてきてもこっちは核兵器を使うかもよというのは、西側が冷戦期に言ってきたことなので、それでプーチンを交渉相手としないという態度をとるのは危険だなと思います」とも語った。
これに谷原は「目的はプーチン政権打倒ではなくて、まずは停戦。そこからどういう風にお互い着地点を見出すかというところだと思う」とまとめていた。
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