志願入隊したウクライナの人気俳優パシャ・リーさん(33)が先週末、同国首都キエフ近郊でロシア軍と激戦中に戦死したことがわかった。米FOXニュースなどが報じた。

 先月24日にロシア侵攻が開始されると、俳優やテレビ番組司会者として活躍していたリーさんは祖国の領土防衛のため入隊。首都近郊イルピンの前線に配属されていたが、ロシア軍の砲撃により亡くなった。

 ウクライナの「オデッサ国際映画祭」がフェイスブックでリーさんの死の一報を伝えた。

 リーさんはウクライナ映画界で恋愛ドラマ「忘れられた祖先の影」やボクサーの苦悩を描いた作品「ファイト・ルール」などに出演。今年1月からバラエティ番組「デイ・アットホーム」の新シーズンで司会を務めていた。

 同映画祭はフェイスブックで、「ロシアと戦いには国際社会の助けが必要です」と支援を呼びかけ、米国や北大西洋条約機構(NATO)が拒んでいる飛行禁止空域の設定やロシア映画のボイコットを訴えた。

 リーさんが死亡したイルピンはキエフの北西約25キロに位置する住宅地。現地からの報道によると、ここ数日、ロシア側からの激しい攻撃が繰り返され、避難する市民の中にも多くの死傷者が出ている。