吉本興業のお笑い養成所「NSC(吉本総合芸能学院)」の卒業ライブ「NSC大ライブOSAKA2022」が28日、大阪市のクールジャパンパーク大阪WWホールで行われ、お笑いコンビ「宛先プレーン」が優勝。特典として劇場での出番やテレビ番組の出演などを獲得した。

 宛先プレーンは、東証1部上場の広告代理店に勤務するたかまん(29)と荒木健太(23)のコンビ。ネタ見せの際に、たかまんが荒木のピン芸を見て、コンビ結成を誘ったという。

 舞台では恋愛のもつれで定番の「仕事と彼女、どっちが大切なの?」ネタを披露。ただ、会社の社長に扮した荒木が彼女にヤキモチを焼くという通常とは逆パターンで、審査員を務めた「ザ・プラン9」のお~い!久馬らも目の付けどころを絶賛。出場165組の頂点に立った。

 憧れや影響を受けた芸人について、荒木は「東京03」と「ニューヨーク」の名前を挙げ「人のイヤな部分をつくみたいなのが、小さい頃からコントを見ていて、こういうことをしたら嫌われるというのを笑いながら学ばせてもらった」。

 一方、たかまんは「ボケとツッコミ、お互いにできるのが理想」と、「千鳥」や「かまいたち」「霜降り明星」の名前を挙げた。

 二足の草鞋を履くたかまんは営業成績も優秀だそうで、昨年4月に課長になったばかり。NSC入学で仕事をやめるつもりだったが、社長から慰留されて明日も出勤予定だ。〝主席〟ゲットで、今後については「どうしましょう。会社と相談してみます」と苦笑いしていた。

 そんな2人に、審査員のメッセンジャーあいはらは「酒のトラブルは気をつけて。僕らの時と時代が違うから〝芸人だから〟という寛容な世の中じゃない。(たかまんは)サラリーマンで常識を持っているから、アップデートされた芸人の形を作っていくと思う。悪い先輩とだけは付き合わないようにね」とアドバイスを送った。