ロックバンド「DIR EN GREY」(京、薫、Die、Toshiya、Shinya)が27日、東京・江東区の新木場スタジオコーストでライブ「THE FINAL DAYS OF STUDIO COAST Final Day 74」を行った。

 今月30日に借地契約満了に伴い閉館する〝ライブの聖地〟コーストで、DIRが通算74本目となるラスト公演を行った。新型コロナ感染対策により観客は声を出せないが、会場内の熱気は変わらない。メンバーが姿を見せると、力いっぱいの拍手でエールを送った。

 ライブは「VINUSHKA」でスタート。ボーカル・京の「コーストぉおお!」「首置いてこい!」の叫びに観客もヘッドバンキングで応えた。その後は人気のシングル「人間を被る」「朧」「詩踏み」などノンストップで13曲を披露。アンコールは「CHILD PREY」で口火を切ると、ラストは過激すぎるMVが波紋を広げた「朔―saku―」。さらにダブルアンコールに突入すると「朔」とストーリーがつながる「鼓動」で締めくくるという、DIRの強いメッセージが伝わる楽曲構成となった。

 今回のライブは「コースト」側からの強い要望によるものだという。

「スタジオコーストで一番多くのライブを行ったバンドであり、また海外から支持される世界的バンドということで、最後を飾るのはDIRしかいないとオファーされた」(音楽関係者)

 DIRは今年で結成25周年を迎える。ライブではサプライズで11枚目の新アルバム「PHALARIS」と夏の全国ツアーなども発表された。

 リーダーの薫はコーストでの思い出について「たくさんライブをやったので覚えていないですね」と冗談めかしていたが、記憶に残るコーストラストライブを経て、DIRは次なるステージに進む。